Golden Route Strategy

型にはめるより、引き出しを増やそう

あけましておめでとうございます! 
そして、すっかりお待たせしちゃってさーせん! 
 
実はこの前まで、おかんが入院しててさ。
なんか腎臓片っぽ取ったらしいんよ。
で、まあ、無事、手術終わって2、3日後、
深夜に妹からいきなり連絡来てさ、
入院してるおかんが急変したらしいんだけど、
「親父が酔っ払って会話にならないんだけどどうしよう」って。
 
一応、距離の説明だけしときたいんだけどさ。
 
おかんの病院が伊勢原、親父の家が相模大野、ウチ渋谷よ。
 
で、まあ、深夜に医者が電話かけてくるなんて
よっぽどのコトだろうと思ったし、
親父もベロベロだから役に立たないだろうと思って、
急いで車飛ばして2時間かけて病院着いたわけ。
 
そしたらなぜかロビーにぐでんぐでんの親父がいてさ。
「先生に話聞いたぞ」
って。
 
「おー、そうなんだ、で、なんて?」
って聞いたら、
 
「難しくて、なにいってんだかわかんなかった」
 
・・・いや、じゃあ、聞くなよww
 
って思いつつ、
お医者さんに再度説明してもらうことになったんよ。
 
そしたら、酒臭い親父が
「私ももう一度聞いていいですか?」
って反省した顔で言うから、まあ、いいよって言って、
今の病状、治療の進捗、これからやってきたいこと、
これから2週間くらいは、何かあるかもしれないから、
連絡つくようにしといてくれっていう感じの説明をひととおり聞いたんよ。
 
で、まあ、大したことなくてよかったと思いつつ、
親父に、2週間は飲みすぎなんなよって伝えて、
家に着いたのが朝4時。。。
 
ふうっ。。
 
翌日、眠いながらもシゴトしてたら、夕方、親父から電話かかってきたんすよ。
 
あれ? やっぱ緊急事態かな? 
って電話取ったら…
 

「で、お医者さん、なんだって?」
 
 
 
さて、気を取り直して本題に入りましょう。

こないだメーカーの新規担当者さんから
こんな相談受けたんすよ。
食品の会社さんで2ステップの会社さんなんですけど。
 
20250116_grs_fig01-01
 
まあ、ぜんぜん合ってないわな。
さて、YOUならどうする? 
 
って何切る?問題みたいだな笑笑
 
 
その場でウチの若手スタッフが、
「A社さんみたいにクリエイティブ変えてアップセル率上げたら、いいんじゃないですかね?」
って言うから、
 
「ちょ、待って」って。
 
で、いくつか追加でヒアリングしたんすよ。
 
icon_tamura「いつからアップセル始めたんすか? 」
 
icon_woman「3ヶ月前です。」
 
 
アップセルやる前の転換率はどんくらいでした? 」
 
「20%です。」
 
ほう。ちなみに転換ってどんなことやってました? 」
 
「同梱とLINEとメールです。」
 
ふむふむ。ちなみにアップセル実施前のF2転換者の継続ってどんくらいですか? 」
 
「こんな感じです。」
 
20250116_grs_fig02 
 
だよね!」
 
「で、どうやってアップセル率上げたらいいですかね?」
 
まあ、焦らないで。新規の数字とクリエイティブ見せてください」
 

聞けば、元々10日間トライアル価格980円だったんだけど、
きつくてトライアル価格を500円に変えたそう。
それで1万って…。
バナー、記事、LP、ボットのクリエイティブ、
CTR、記事遷移率、CTA押下率、一通り見て、

 
諸々の数字見て、なんとなく方針が見えてきました!」
 
「で、どうやってアップセル率上げたらいいですかね?」
 
「いったんアップセルやめる。
F2のボリューム上げて転換率上げる。
あと、訴求意味わかんね。
***に変えてCPC下げる。
それができたら、トラの容量を10日分→5日分に減らす。
アップセル率爆上げの下準備ね。」



 
20250116_grs_fig0302
 
こんな感じの結果になったんだけどさ。
まあ、もちろん、結果はめちゃめちゃよかったんだけどさ。
今日、みんなに伝えたいのは、
結果じゃなくて、思考プロセスなんだよね。
 
今回のケースで言うと、
「アップセル率が15%と低い」
っていう「パッと目に付くわかりやすい課題」があった。
 
なんなら、DM0のアップセルの鉄板の型にハメちゃえば、
50%くらいまでは上がっちゃうと思う。
 
 
でも、俯瞰すると、もっと根本的な3つの特徴があることに気付く。
 
ちょっとココは10分立ち止まって、
マジでお前らなりの3つを考えてみてほしい。
 
わかりやすいようにもう1回
Beforeの情報置いといてやるよ。
 
20250116_grs_fig0401
 

【答】F2転換施策、ライトな割に転換よくね?っつーか転換者LTV高くね?

【答】そもそも500円のトラ入口のくせにCPA高すぎじゃね?

【答】10日分500円を30日分3000円にアップセルってクソゲーすぎんだろ。

 
 
どう? 当たってた? 
 
 
要は、
目の前の敵を倒そうとする前に、
敵陣全体を見て、攻めやすいところ、敵が多いところを見極めろって話よね。
 
 
でもさ。
俯瞰したところで、この3つの課題に気付ける目がなければ、結局、「見つけやすい課題」ばかり手をつけようとしちゃうよね。
 
だから、色んな場所で戦おうぜ。
新規ばっかやってねーで、CRMばっかやってねーで、1ステばっかやってねーで、マーケばっかやってねーでさ。
 
幸い、ボクたちの業界って、共通項もめっちゃ多いじゃん。
(まあ、「業界もまたいで戦えや」ってツッコミはその通りなんだけどww)
 
そして、自分の中に、「引き出し」を増やしてこうぜ! 
だって、引き出しの多さが、俯瞰で見た時の違和感や狙い目をつくってくわけじゃんか。
(まあ、もちろん、それぞれの場所の戦いで極めるのも大事なんだけどさww)
 
 
本来ならココで締めたほうがいいんだろうけど、どうしても言いたいから、あとひとつだけ。
 
それは、引き出しをつくってく時の「戦い方」の話なんすよ。
 
 
戦ってうまくいったら、それを繰り返したくなると思うんだけどさ。

ボクはいっつも、
「今までと『何かを変える』戦い方」をめちゃめちゃ意識的にやってるんだ。
 
だって、「戦いの引き出し」が多くないと、型にはまった戦い方しかできなくなるでしょ? 
 
それって多分、癖になる。
そうすると、型がないのに戦うのが怖くなる。
それに、型がなくても結果を出す引き出しが増えないじゃん。
型にハメていくら成果を出したところでね。
 
ってコトで、DM0は今年も多くの新しいDM0式を生み出し続けてくぜっ! 
 
みんなも2025年もたくさんたくさん戦って、
引き出しをめっちゃ増やして、そのうえで、
 
『型に頼らなくてもKPIを変えられる力』
 
を、ぜひ、身に着けていこうぜ!! 
それで、自慢し合おうぜ! 
負けねーかんな! 
 
 

アウトバウンドをインバウンドにする魔法

 
 
みんな知ってるかもしれないけど、ボク、DM0を創る前、
一度だけ転職したことがあるんだよね。
新卒から10年いた従業員4000人規模のベネッセから
50人規模のマードゥレクスに移った時のコトを、
ドイツからアフリカに来たみたいだったって表現したことがあるw
 
当時マードゥレクスは深夜にタクシーの行列ができてて、
それぞれ顔なじみのタクシーに乗って帰るっていうくらい
なんていうか仕事熱心なベンチャーで。
 
ただ、もともとB2B(=卸)で事業を大きくしていった中、
D2C事業に投資をしていたフェーズだったんだよね。
だからD2Cはずーっと赤字事業だったわけ。
 
そんな中D2Cの責任者として迎え入れられたわけだけど、
なんていうか、まだまだ発展途上で、
口頭で1億の広告費の決裁が行われるくらい、
雑だったわけ。
 
当然、育ってきた風土とかリテラシーが違うから、
文化の違いとかで、だいぶアウェイな環境だったんよね、最初は。
 
でもまあ、結果でわからせるのが手っ取り早いと思い、
最初に事業構造や顧客構造を整理して、
効率化とかCRMの仕組みづくりみたいなコトから
はじめたんよ。
今のオレたちの状況、理想状態とのギャップ、
そのためにどういう打ち手を打つべきか、
そのためにどんな構造改革をしなければならないか
みたいなことを共通言語を作りながら固めてったわけ。
もちろん、売上をガンガン積みながら。
 
まあ、当然、仕事も増えるわけで、
タクシーの行列はますます長くなってったんだけどさ。
24時から飲み始めるみたいなコトも日常茶飯事でww
 
その甲斐あって、3ヵ月目くらいから少しずつ、結果が数値として表れるようになって、
そしたら、メンバーがみんなだんだん楽しんでくれるようになってきたんだよね。
戦略を持って、予測を持って、狙いを持って仕事ができるのが楽しいって。
いつしか「タムラ教」って揶揄されるようになってきたw
まあ、たしかにちょっとした宗教みたいな感じだったかもしれんww
 
まあ無事、初年度で売上目標も達成して、初の黒字化、
3年で300%成長まで持ってけたわけなんだけどさ。
 
2年目くらいの時あるメンバーからこう言われたんだよね。
 
「転職を考えてて…」
 
って。
 
 
「おう、そうなんだ、なんで? 飽きた?」
 
って聞いたら、そいつが、衝撃の一言を発したんよ。
 
「いや、ベネッセに行ってみたいんすよ。」
 
って。。。
 
聞けば、ボクが戦ってきた環境で
自分の力を試してみたいとのこと。
 
まあ、確かに、ボクはベネのマーケのフレームワークを
これでもかってくらい移植してきたし、
折に触れて事例も共有してきたけど…。
 
まあ、そこまで慕ってくれるのは嬉しい反面、
エースが抜けるの困るなぁと思ったボクが取った行動って
なんだと思う?笑笑
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「じゃあ、勝負しない?」
 
 
 

謎のタイマン提案ww
「辞めるならオレを超えてから行け」ってかw
 
今考えると無茶苦茶なコト言ってんなぁと。
 
 
そしたらそいつがまさかの
 
「いいっすね! やりましょう!!」

 
「えっ⁉ マジ? 最高じゃん! やろうぜ!」
 
で、どっちのクリエイティブが、
結果がいいかっていう勝負をすることになったんだよね。
 
とはいえ緻密にセットされたプロモーション計画の中、
割と私的な施策をぶち込むのは本末転倒だと思って、
R24以上の休眠顧客をターゲットにやることにしたんよ。
 
 
正直、久々のクリエイティブだったけど、
負けるわけにはいかないから、色んな手を使ったのを覚えてる(もちろんルールの範囲内で)。
 
 
結果については割愛するけどさ。
まあ、結局そいつはホントにベネッセに行くことに
なっちゃったんだよね。
 
 
ただ。。。
 
 
 
 
5年後に、そいつがDM0にジョインしてくれることになるとは、
当時のボクもぜんぜん予測してなかったってわけ。
 
「タムラさんみたいな人ゴロゴロいっぱいいると思ってたんだけど…(以下コンプラ)」
 
 
笑笑笑
 
さて、いつも通り前置きが長くなっちゃったけどさ。
伝えたかったコトとしては、
ボクらの仕事ってめっちゃはっきり
勝ち負けが出る仕事じゃん。
 
でもそれって、めっちゃ幸せなコトだと
思うんだよね。
  
政治とかカンケーないし、審判の不可解な判定もない。
 
お客さまからの評価が全てなわけじゃん。
しかも、0.01%の精度で「よかったよ」って言ってもらえる
 
もちろん、その分、妥協もできないし、言い訳もできないけど、だからこそ、なりふり構わず、一生懸命、夢中で正解を追求できるわけだからね。
 
誇りをもってがんばろうぜ! 
 
 
さて、お盆だし台風なんでこれで終わってもいいけど、
一応、みんなお待ちかねだと思うから、事例についても軽く入れてやろうかな! 
 
 
みんなは
「継続率アップのためにアウトバウンド」
ってやったことある? 
 
いや、わかります。
 
「そんなんしたら解約拾っちゃうんじゃね?」
 
ですよね? 
 
 
でも、あるクライアントさんで、
1→2の間に、アウトを実施して
継続率を15%上げたケースってのがあるんよ。
 
まあ、内容っていうかベースは、
よくある「2回目配送時のギフト」なんだけど、
実は、そこにちょっとした工夫を入れることが
大事だったんだよね。
 
その工夫ってのは、クライアントさん限定だから
ココで公開するんは控えちゃうけどさ
一個だけ難点があったんよね。
 
それは
「やっぱり多少解約を拾っちゃう」ってコト。
 
で、考えたわけよ。
 
「解約を拾わずにプレゼント受け取り意欲のある人だけ電話繋がる方法ってないかなぁ」って笑
 
で、閃いちゃったわけ! 
 
「逆に電話してもらえばよくね⁉」
 
 
じゃあ、どうすれば電話してもらえるか? 
 
 
「なんか〇〇〇ばよくね⁉」
 
            (↑わかったら教えてください!)
 
まあ、あとはウチの優秀なクリエイティブスタッフと一緒に料理して、 
アウトバウンドのインバウンド化
に成功したんだよね! 
 
ごめん、お盆なんで細かい数値グラフ化するのとか
クリエイティブ加工するのめんどくさくなっちゃってww
 
ただ、一応、言えることとしては、
「あちらを立てればこちらが立たず」みたいな状況って結構あると思うんよ。
 
クロス率上がったんだけど継続率が下がった
とか
CPA下がったんだけどLTV下がった
とかね。
 
今回のケースでいうと、
「継続上がったんやけど、解約上がってもうた」
だよね。
これってボクの思考回路的には結構おいしくて、
とりあえず「動く幅」みたいなのが見えたわけじゃん。
「これやったらこんくらい数値変わるんじゃな!」って。
 
 
で、ボクは一応こういう時、決まって、
秘技「欲張りセット」発動!! 
 
「いい数値をキープしたまんま、
悪い数値を減らすにはどうしたら
いいだろう?」
って考えるんよ。
(めっちゃ当たり前かもしれないwwwww)
 
で、要因を分解するんよね。
「アウト」→「ギフト提案」→「乗る」→「継続UP」
「アウト」→「継続検討機会」→「解約率UP」
 
まあ、こんな感じの分岐じゃん? 
 
で、今回取った「欲張りセット」はザックリ言うと
「ギフト提案」→「乗る」→「イン」→「継続UP」
 
 
こんな風に、施策の結果をもとに、新たに出てきた課題を解決してベター化していくのも
ダイレクトマーケのおもろいところよね! 
 
まあ、詳しく聞きたかったらハイボール用意しといて! 
レモンは多めだz!! 
 
 
 
さて、台風が近づいてきたんでこの辺で! 
 
兎に角さ、
ボクらのシゴトって、結果が0.01%単位ではっきり見えるから、めっちゃ楽しいよね! 
だから、安心してのめり込もうぜ!! 
 
過去の栄光にすがるヤツとか、フレームワーク野郎が
どんだけ偉そうな御託並べようが、
こう言ってやりゃいいんよ。
 
「じゃ、お前やってみろよ!!」
 
ってな笑笑
 
 
もう知ってると思うけど、DM0のゼロは
「結果が出なければお代はいただきません」
のゼロです。
 
覚えといてくれよな! 
 
 

~局面打開力ってどうやって身に着けるんすか?~ ジェンガ2本同時に抜いたことある?

 
 
いやー! いい季節っすね! 
「好きな季節っていつ?」と聞かれたときは迷わず、
「初夏ですね」
って答えるって決めたのが19歳。
 
 
 
あれから32回目の初夏、恵比寿の東口で元社員さんと飲んでて、
 
 
 
「二次会どうします?」って話になったら、
その後輩が
「この時間、ボクのオススメの場所があるんすよ」って言って
西口のシェイクシャックの先のローソンの前に連れてかれたんすよね。
 
 
 
えっ?
ココらへんにあるのはアメリカ系のお店だけじゃないか?ww
 
 
と思ってたら、
 
「ちょっと待っててください。」
って言って、いきなりナンパし出したんですよ。
 
 
 
 
 
「えっ⁉ww」
 
若干引きながら、しばらく観察してると、
なんか不自然なことに気付いたんよ。
 
よく見ると、
声をかける人と声をかけない人がいるんよね。
最初は顔で選んでるんかと思ったんだけど。。。
 
どうも違う気がする…。
 
ココは行く…
 
ココは行かない…
 
 
「はっ!」
 
 
その瞬間、思わず酔いが半分くらい醒めたんすよ。
 
 
 
 
そうか!! 
歩くスピードで行く行かないかを決めてるんか! 
 
 
 
 
 
聞いたことがあるぞ! 
 
シゴデキはゆっくり歩いている人に声をかけるっていう話を!! 
 
 
でも…
 
なんでわざわざココまで移動してきたんだろ? 
 
 
「はっ!!」
 
 
その瞬間、思わず酔いが全部醒めたんすよ。
 
一応、恵比寿?知らんって人のために、
ボクらがいた場所を図解しといてやろう。
 
 
そう! 
ココはまさに本陣である恵比寿駅を背にした
「背水の陣」! 
 
 
 
 
そして、
 
そう!! 
ココは三つのエリアから敵がなだれこむ要の三角州! 
全ての女子たちが終電を目指し、
駅に向かい集まる集積地! 
 
 
しかし、
駅に向かう場所なら他にもたくさんある。
だが、ココだけが持っている、
 
「圧倒的な地の利」
 
一番重要なポイントは…地図を見ていただけではわからない。
 
その答えは…
 
コレだ! 
 
 
 
そう! 
 
とんでもない下り坂!!
 
その高低差、たったの100mの間に、驚異の15m!! 
 
ふつうの人間なら、自然と歩くスピードが上がってしまう。
まして、終電を前にした飲み上がりなら、尚更だ。
 
だが、どうだろう。
俺は目を疑った。
そんな中で、10組中1組ほどいる。
 
明らかにスローペースで歩いてくる女子たちが、
 
 
そう。
コイツは、無駄クリックを避けるために、
CVRの高いターゲットをクリック前に見極めていたのだ!! 
 
 
 
さて、ほぼなんの関係もない前振りに、
めちゃくちゃリソースを使ってしまって、
今、ものすごく反省している。
 
本題は、そいつが二次会で聞いてきた言葉だ。
 
 
今、そいつはDM0の3年間で学んだ課題発見力を活かして、
メーカーで部長として成果を上げているとのこと。
 
「ただ、正攻法では解決できない場面で
ハイパフォーマンス出すのがムズイんすよ、
タムラさんの無茶苦茶な局面打開力を学び忘れたって」
 
「あははw ムズイよねww」
 
 
結局その日はテキトーに流した、
局面打開力…か…。
 
あれから、少し考えるコトがあったから、
今日は彼に向けてのアンサーをシェアしようと思う。
 
 
確かにたまに言われる。
局面打開力が高いって。
まあ、自分ではぜんぜんわかんないんだけど。
 
 
 
まず、ボクが最初にやること、当たり前なんだけど、一つ目のコツは、
周辺の流れを含めた課題の正確な把握
っすね。
 
 
 
 
たとえば、この前のクライアント様と話しててこんなことがあったんすけど、
 
 
「ボット内の都度→定期のアップセル率が2%しかないんです・・・!」
 
 
「まあ、ざっくりカテゴリーだとアパレルだし、そもそも定期ムズイけどクソみたいな数字だな。。。」
 
 
「アップセル画面を修正しようと思うんので、アドバイスください!」
 
 
 
 
まあまあ、落ち着こうぜ(笑)
 
 
 
 
 
「そもそもなんで悪いんだろうね?
ちゃんとお客様の気持ちを理解するところからがスタートだよ。
 
 
 
 
どんな現象であれ、前後関係なくして語れないと思うのね。
 
 
だからアップセル画面とにらめっこしてるだけじゃノンノン。
 
 
「まず、バナーからお客さまが通ってきた(=見てきた)導線を、
クリエイティブと数値を突き合わせしながら、まんべんなく見ていこうか。」
 
 
 
 
 
「バナーは商品見せてる感じか。まあよくあるよね。」
 
 
 
 
「LPのFVも悪くないね、訴求もわかりやすい。」
 
 
 
 
 
「で、CTAが来て、なるほど。CTAが購入数量ごとに分かれているのね、1枚、2枚、3枚、5枚から選ぶんだ。」
 
 
 
 
 
「数量選んだ状態でボットが立ち上がって、名前とか聞いていくのね。」
 
 
 
 
「このままだと都度購入なので、全部必要事項聞いたら、ボット内で3枚定期のアップセルオファーです。」
 
 
 
 
 
 
 
「ん?」
 
 
 
 
 
 
 
「3枚定期??さっきのCTAでは、1枚から5枚まで選択肢あったよね??」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「都度だと1枚~5枚まで選べるんですけど、
定期は3枚のコースしかないんです。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「え!!!!」
 
 
 
 
 
つまりこういうコトか。
 
「さて、1・2・3・5枚! どれにしましょう!」
 
「うーん。。。5枚!」
 
「ココでお知らせです! 
3枚定期にしません⁉」  
 
「いや、だから5枚だっつってんだろ」
 
状態か。
 
 
 
 
 
「たくさん欲しいから5枚買うって言ってる人とか、
1枚しかいらないよって言ってる人に3枚定期おすすめしても、
そりゃ定期率上がんないでしょwwww」
 
 
 
 
 
 
 
で、入口の枚数別の定期率見たら、当たり前だけど、
3枚入口の人の定期率は5%なのに、他は1%だったんよ。
 
 
 
 
 
 そりゃそうだよね。
 
 
 
 
 
 
 「まずこうしましょう!2枚の人は2枚定期!3枚の人は3枚定期!
入口でほしいって言われた枚数ごとの定期、つくっちゃいましょう!!
 
 
 
 
 
 
「・・・。いやそういうことがしたいんじゃなくて・・・。」
 
 
 
 
 
明らかなアウェイ感が会場を包んだよねww
 
 
 
でもいいの! 
 
ふたつ目のコツは、ズバリ
「フレームごと変えよう。空気なんか読まない!
フィジビリ無視で我が儘に!」
 
 
(まあ、結局、3枚のまま、表現でなんとかしようっていう結論になったんだけど)
 
 
 
 
で、アウトプットはというと、
 
 
 
もともとこんな感じに誰に対してもただアップセルオファーをぶつけていたのが、
 
 
 
 
こんな感じに入口で選択した枚数ごとにシナリオを分けてみた!
 
 
 
 
んで定期率は最大10倍になったんよ! 
 
 
 
余談なんだけど、この時、面白いことに気付いたんだよね。
 
 
こっちの3枚セットからの定期アップセル率は20%だったんだけど、
 

 

こっちの2枚セットからの定期アップセル率は10%だったんよ。
 
 
 
 
なんでだと思う? 
 
 
2枚の人に
「同じ値段でもう一枚もらえますよ」
 
っていうのより、
 
3枚の人に、
「同じ枚数がこっちのほうが安く買えますよ」
 
っていうほうが、
圧倒的に刺さるんよね。
 
 
 
プロスペクト理論における
損失は利得の2倍って公式がそのまんま当てはまってておもろいよね。
 
 
 
 
いずれにしろ、
お客さんの前後の流れからして、
不自然な状態がある状態の時って、
たいていなんか理由があるんよね。
 
 
 
前の担当がどうだとか
システムがどうだとか
 
そういう妥協や思考停止が
お客さんの自然な導線のボトルネックになって堰き止めてるとこはチャンスよね。
 
「妥協しない」
「なにがなんでもやる」
 
ってキモチだけで
指一本で変えられるから。
 
 
フレームごと変えるっていうのと
似たような頻出ケースに
「金」
の問題がある。
 
 
 
 
 
F2転換率15%の時、
タイミング分析して、30日以内のチャネルもメール、DM、アウトまでやって
オファーもつけてるけどなかなか転換率がエベレストまで上がらな
なんて時、
 
 
「初回箱を豪華にしようぜ!」
「クーポン金箔にしようぜ!」
 
 
って言うコト、結構あるんだけどさ。
 
これもだいたいアウェーの空気が半端ないんよね。
 
70点までは詰められてるわけだから、これで良くね?的な。
 
 
 
でもさ。
状況的に、リスクとってきたいとこなんよ。
 
正攻法に則って、優等生の施策で、ファビュラスな成果が出てないってコトはさ、
お客さんのテンションが上がりきってないわけでしょ? 
パンチ力が足りないわけでしょ? 
 
 
 
じゃあ、お客さんのテンションってどうやったら上がるん? 
 
 
 
「予想外」
 
期待を超えてきたときじゃん。
 
 
 
勿論、手法としてのパンチの種類の多さもあるとは思う。
 
でも、それよりも、アウェイで日和んないコトのほうがデカいと思う。
周りから妥協案が雨後の筍よろしく出てくるよ。
 
 
 
でも、
「うーん、違うんだよねー」
って
やりきる経験を大事にしよう。
その経験が自信になり、アウェイが怖くなくなるはず。
 
ひとつ懐かしい話があるんだけどさ、
これ見てくんない? 
 
 
 
 
もう10年前の話なんで、いいかなと思うんだけどさ、
この商品、なかなか売るの難しくてさ、
ウチの精鋭クリエイティブスタッフが新規獲得で次々に討ち死にしてったんよ。
 
で、いよいよオレ出なきゃいけない空気になって、
 
作ったんがコレなんだけどさ。
 
この「手」の部分が取れる仕様になってんのよ。
 
 
オフライン新規やったコトある奴ならわかると思うけど、
これって
非常識にもほどがあるんよww
 
 
 
 
だって、シンプルに金が1.5倍くらいかかるからね。
 
 
 
当然、
「ココ印刷じゃダメなんですか?」
って話になるわけ。
 
 
 
「ダメです。ボクのコト信じてください」
って。
 
で、結果見る? 
 
 
 
 
 
 
 
いや、おもろいのはこっからよ。
 
「確かにうまくいった! でも、コスト落としてもうまくいくんじゃないすか?」
 
って言われて、
 
「じゃあ、やってみなよ」
って言ってやった結果見る? 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これはもはや現代の
金のがちょう
とか
はなさかじいさん
レベルの綺麗なオチよね。
 
 
 
 
さて、
ただ、ココまでは
局面打開力で言ったら、
初歩だし、マネしやすいと思うんすよ。
 
きっと後輩もできるんじゃないかな。
 
でも、これでも解決できない局面があるんよね。
 
 
 
 
そんな時、無意識でやってるコトを
無理やり言語化してみるよ。
 
 
0:モテたいと思う
1:お客さんに憑依する
2:ジェンガをやる
3:真昇竜拳を使う
 
 
ぜんぜん小慣れてなくてゴメンww
 
 
 
 
まずね。
「モテたいと思う。」
 
 
いや、笑ってると思うんだけど、これめっちゃ大事なんよ。
 
※なんでモテたいと思うことが大事かって話はココを見てね!↓↓
 
 
 
だって、「局面」を「打開」したいんしょ? 
ちまちま改善改善しててもしょーがないっしょ。
 
まず、
「絶対成功して賞賛の嵐が巻き起こってる状態」を
イメージしないと始まんないっしょ。
 
当然、このあとのアクションをしながらも、
「くそ、これじゃモテねー」
「まだだ、まだモテねー」
って自戒しまくれ。
リビドーはつえぇぞ。
 
 
 
で、次がボクの好きな
「お客さんに憑依する」
クリエイティブの文脈でもよく出てくるこの言葉。
 
でも、結構データとアウトプットを突き合わせながらも
必要なんじゃないかなと思う。
 
簡単に言うと
「初見の素人になる」
ってコトに近いかなと思う。
 
というのも、自分とお客さんの一番の違いは、
大抵の場合、
商品やサービスのコトを知りすぎてる点
マーケに関わりすぎてる点
だと思うの。
 
 
そこで、大抵の場合、顧客の気持ちを理解するとかいって
軽く体験してみたりするんだけど、
まーこれが薄いんよ。
 
 
前にめちゃんこすごいマーケターさんが廃課金の気持ちを理解するために
400万使ったって言ってたけど、
おい、それは微課金やぞ。
 
ホントの廃課金は設定金額で止まれないから「廃」なのよ。
自分をコントロールできないくらいの
コンコルド効果を味わってほしいな。
 
 
もっと、こう、なりきるっていうか、初見の素人「である」。
で、ふっとマーケターに戻って、
で、ふっと初見の素人に戻って。
 
www我ながら、意味不明www
 
 
 
いずれにしても、
ふだんから「良き消費者」であろうぜ。
お客様、特にマジョリティに近い嗜好とかアクションを
しとくと憑依しやすいと思う。
 
 
前半に書いた、アウェイの状況で、
『自分だったら絶対こっちが嬉しい』
みたいな自信を保つためにも、
お客さんを常に肩に乗せとく癖をつけようぜ! 
 
 
 
さて、もう疲れてきた。
 
「ジェンガをやる」
 
これはね、
一番動きやすいトコを探す
みたいなコトなんだけどね。
 
要は、
『ココだけこう変えたら一発で変わるんじゃないか?』
みたいなポイントを探すんよ。
 
前半で、ほら、
前後関係も含めて、俯瞰でお客さんの導線を数値とセットで見とこうぜ
って言ったじゃん。
それがココで生きてくるんよ。
 
たとえばさ、サンクスクロスで上がりきらなかったクライアントさんがいたんよ
こんな感じで。
 
 
 
 
で、
ボクが書いたラフがこんな感じ
 
 
 
 
 
 
 
これ見るとさ、
ジェンガの結果、動かしてるんはクロスの金額なんよね。
 
いや、そりゃ、クロス商品の金額下げりゃ
クロス率上がるっしょってのは当たり前なんだけどさ。
そういう話じゃないのよ。
 
 
 
この時、クリーム買った人に化粧水のクロスぶつけてるんだけど、
そもそもクリームの初回価格2,460円なのよ。
 
 
2,460円のクリーム買いに来たのに、
突然意味不明な、クリームより高い化粧水おすすめされても買わなくない?
 
 
 
 
 まず、せめてクリームよりは安くしようよって話。
 
 
そっから「もっとこうしたら今だけ感出るよね!」とか、
「クーポン適用されてる感出すにはこうしたらいいんじゃないか」とか
いろいろクリエイティブのテストはやったんだけど、
そこまで話し始めたら止まらないから、気になった人は連絡してね。
 
 
 
つまり価格を下げることが目的じゃなくて、
文脈上、こういう表現にできたら爆上げできるよね。
ってのが抜きやすいジェンガだっただけ。
 
 
 
だから、逆に
値段上げるケースだってあるんよ。
 
 
 
たとえば、こういうセット内容によって割引率を変えているような事例。
 2品セットだけ20%OFFでそれ以外は30%OFFにしてたんよ。
 
 
 
 
 
ボクら的には3品セットを選んでほしいんだけど、2品セットの割合が結構大きかったのね。
割引率10%も違うのに。
 
 
 
 
でもほら、すっごい3品セットがお得だなって感じもしないじゃん。
3品も2品もどっちにしろ高いし。
 
 
だからあえて3品セットだと超お得じゃんって思ってもらえるように、2品セットと4品セットの価格を上げたわけ!
  
 
 
 grs_202406_09_02
 
 
 
2品セットと3品セットの価格差が小さくなったら、3品セットのお得感強くない??
 
 
 
こんな感じに値段上げて選択率爆上がりしたみたいなケースもあるんだぜ。
 
 
 
 
 
 
これは、別に単一のクリエイティブの中の話だけじゃなくてさ。
例えば、
継続率上げようぜって文脈で、
フォローメールとか特典とかたくさんある中で、
初回箱と返品チラシだけ変えて、10%上げた
みたいな例も同じ考え方よね。
 
要は、
『イチバン大きく動かしやすいポイントはどこだ⁉』
って、
「お客さんである自分」に聞く感じ。
 
それを一瞬でツンツンするんよ。
ジェンガっしょ。
 
さてさて、みんなお疲れ様。
ヒートマップで見たらココまでの
到達率5%くらいかなww
 
 
いよいよラスト! 
 
「真昇竜拳を使う」
 
 
 
さて。
ココまで来たらみなさんお気づきだと思うけど、
今や周りは不安げな目でいっぱいで
失敗は許されない状況なわけww
 
 
だからこそ、自分が持ってる鉄板を使っていこう! 
できれば合成させながら。
 
 
 
 
一例を上げるとさ。
最近のヤツなんだけどさ。
 
これ見てよ。
 
 
 
 
 
 
実はめっちゃ合成されてんのよ。
 
ほら。
 
 
 
 
特別な招待状感とか、
 
 
 
レターにカードが貼られている感じとか、
 
 
 
そのカードをガチのクレジットカードみたいにしちゃう感じとか、
 
 
 
 
売りに行くんじゃなくてより良いものにグレードアップしませんか?っていう感じとか、
 
 
 
 
 
今まで培ってきた
ヒットの要素をこれでもかってくらい合成してるんが
分かるっしょ? 
 
 
 
余談だけど、
さっきの手のやつも
 
 
 
ANAのNEW旅割だったり、
 
 
 
 
剥がしてポンを合成してるんだぜ(`・ω・´)キリッ
 
 
 
 
 
 
 
クリエイティブだけでもそうなんだけどさ。
例えば、
 
 
オファーのジェンガ
とか
コストのジェンガ
とか
心理学のジェンガ
とか
 
 
ホントにたくさんの必殺技を詰め込んでるわけ。
そう、まるで昇竜拳が真昇竜拳になるようにね。
 
 
 
 
 
 
 
 
いやー! 長かったねー! 
 
で、もうわかってると思うけどさ。
最終的には

やっぱり、

マーケターはラフ書いてナンボって話じゃね? 
 
当たり前だけどライティングもな。
(逆も然り)
 
 
 
 
みんなもぜひ、局面打開力を身に着けて、
圧倒的なCVRを実現させようぜ! 
 
 

それから30分後、
俺たちはサンパチにいた。

本格的な夏の到来はもう少し先みたいだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

田村雅樹
Masaki Tamura

ダイレクトマーケティングゼロ代表取締役社長。
1972年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、「株式会社ベネッセコーポレーション」、大手化粧品会社を経て、2009年に通販専門のコンサルティング会社「ダイレクトマーケティングゼロ」を設立。
通販化粧品・健康食品企業を中心に計500社以上の顧問・コンサルティングを行う。「AMIDAS」や「通販7指標必勝方程式」などの独自理論を打ち立て、クライアントの売上を20倍上げた実績をもつ。
「DMA国際エコー賞」「ケープルズ賞」をはじめ「全日本DM大賞」などダイレクトマーケティングに関する賞を国内外で通算40冠受賞。
著書に『ゼロからはじめる通販アカデミー』(ダイヤモンド社)がある。講演・寄稿等多数。

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