Golden Route Strategy

マーケターはクリエイティブを避けてはいけないっていう話

 先日、セミナーで「なんで成果の出るクリエイティブを作れるの?」っていう質問をもらった。
最近、ちょっとマーケよりの話が続いたので、今日はクリエイティブついて話そうと思う。
DM0がEC/通販コンサルティング業界で、「圧倒的高み」であり続けられる理由は、あまり触れられないんだけど、
「正確なクリエイティブ」
にあると思っているんですよね。
そもそも、DM0には大きく二つのドメインがあって、左脳を司る「コンサルティング部」と、右脳を司る「クリエイティブ部」なんですよね。

さて、ココで質問なんだけど、YOUはどっち派? 大抵の人は、
「分析・戦略は得意なんだけど、クリエイティブはニガテ」
っていう郭嘉タイプか
「クリエイティブは任せてほしいんだけど、数値はニガテ」
っていう文醜タイプっていう2タイプにわかれるんだよね。
でもね。やっぱ一人の人間で完結してる張遼、陸遜がかっこよくない?(偏見)

まあ、カッコいいかどうかは置いといて、実際、「世界一、結果に責任を持つEC/通販コンサルティング会社」である以上、
「言い訳のできる状態」
を作ってはいけないと思うんですよ。
自分で状況判断をし、自信を持って戦略を立て、自ら解決策を考え、細部まで気配りをし、最終アウトプットとして出陣させる。

だからDM0はアウトプットにめちゃめちゃ拘る。
そして、めちゃめちゃパクられる。

例えば、
このクリエイティブ
01
目にしたことある人多いと思うんだけど、
ウチだかんね、始めたの。

このクリエイティブも、
02
このクリエイティブも、
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このクリエイティブも。
05-1
 
 
で、最近、こんな似たような事例を見つけたww
 
06-1
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10-1

まあ、以前、ココで書いたように
パクってくれてあざます! ~成果報酬1.03億円の矜恃~

パクリはオリジナルを超えられないので別にいいんだけど、
今日は「クリエイティブ」についてもう少し深掘りして話していきたい。

クリエイティブにニガテ意識がある人の多くは、
「センスがない」とか「いい悪いの判断ができない」とか言いがちね。「絵が下手」とか(笑)

もちろん、「クリエイティブ」の中には、「一発で世の中を変えてしまうレベチのクリエイティブ」とかもあると思うんだけどさ。
ボクらがデイリーで解決していかなきゃいけない問題って、もっとカンタンだと思うの。
「CVR上げたいよ!」とか「継続率上げたいよ!」とかね。

で、明確な目的&KPIを持ったクリエイティブは、
達成するためのプロセスとフレームワークがシンプルにあるんだけど、
それはまたの機会に話そうと思う。

今日は、「クリエイティブって怖くないぜ!」っていう話がしたいんだ。
たとえばさ。ちょうど、この前、クライアントさんが、
チャット上のCVRを上げたいっていうことがあったんだよね。

で、見てみたのよ。
っていうかお客さんになって、正確には、買ってみたの。
そしたら、6回イラっとしたんですよ。

イラッとしたポイントはこの6つ。

イラッとポイント①
チャットボットでいきなり広告画像が出現!
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イラッとポイント②
氏名の間にスペースが必要!フリガナが自動入力されない!
12-1
 

イラッとポイント③
生年月日が1921年からはじまる…!?
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イラッとポイント④
支払い方法の選択部分に移動すると、クレカ特典の内容が見えなくなる!
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イラッとポイント⑤
クレカの有効期限が去年!
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イラッとポイント⑥
利用規約に同意するというワンクッションが手間!
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で、これらをこういう風に変えたの。
 
イラッとポイント①解決策
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イラッとポイント②解決策
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 イラッとポイント③解決策21-1
 

イラッとポイント④解決策
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イラッとポイント⑤解決策
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イラッとポイント⑥解決策
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(おパクりくださいww)

で、次に何したかって? 
設問ごと離脱見たのよ。
したら、圧倒的に初っ端の影響度がでかかったのね。
つまり最初の設問の姓名を入力せずに離脱する人が多かった。

そんで、考えたのよ。
「CTA押したのに、なんで名前入れないんだろ?」
「どうしたら名前入力まで進んでくれるかな?」って。
 
で、試したのがこれ。
どのくらい数値が変わったかっていうと、離脱率が10%改善したのよ!
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「おいおい、これってクリエイティブの話?」って思った人もいるよね。
そうなんだよ。クリエイティブの話なんだよ。

クリエイティブって、アートじゃないんだよ。

でも、実は、この話には続きがあるんだ。

待てよ。。。

そもそもチャット内CVRを上げることが目的か? 
って。で、LPCVRを見にいったの。

そしたら、CTAボタン押す人の割合が、
他社平均と比べて低かったんだよね。

そんで、どうしたか? 

勝手に押しちゃえばよくね? 

「秘技! チャット強制立ち上げ!!」
結果、LPCVRが1.1%UPしたんです。
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実は、この一連の思考ステップがクリエイティブの本質なんです。

1:お客さんになってみる
2:分析して改善ポイントを絞る
3:もう一回お客さんになってみる
4:目的の上位概念を考える
5:神は細部に宿る

5番に関して言及してなかったけどね。
実は、先程の会社は、改善の途中で、一回、失敗してるんだよね。
それは商品券のくだり。


商品券が商品券らしくなくて、負けた。
商品券らしく変えたら、LPCVRが1%UP!
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みんなは比べてみてどう? 

「うぇ~い! これは嬉しいっ!!(逃したくない)」

ってどっちが思える? 

結果、やっぱり、最後は、
ホントに細かい、いわゆるみんなが思い描くクリエイティブの勝負になるのよ。

だからね。
ふだんから、たくさん、買いな。
流行ってるものは押さえて、
お客さんとして体験して、
お客さんとマーケターの目を何度も何度も行き来させな。
そうすれば、クリエイティブなんて怖くなくなるから。

「アタシがこう思うんだから、みんな思うはず」

っていう思いが、確信に変わるから。

そしたらもう、キミは、自分で最後まで責任が取れる、
成果へのコミットができる。

過去にベストは存在しない。
常に世界初を創り続けてこうぜ! 
 
we promise your success.

 

F1時チャットボットの可能性について

 
前回もちょっと触れたんだけど、ココ3年くらい、カートのフォームでの離脱率改善という文脈で、チャットボットツールの導入をするクライアントが増えている。
 
実際、チャットボットを導入することにより、CVRを改善しているブランドもあれば、大して変化が出ないケースもある。
ただ、両者を比較した際に、明らかにチャットボットが優位だなあと感じるポイントがある。
 
それは「インタラクティブの演出」「シナリオの分岐」なんじゃないかと思う。
 
まずはインタラクティブの演出として、DM0で成果が出ているケースを紹介していこうと思う。
 
figure01
 
 正直、この位だと、インタラクティブかって言われるとビミョーだよね。
でも、ちょっとフォームのクレカ誘導と比較してみようじゃないか。
 
figure02
 
両者を比べてみると、なんとなくわかると思うんだけど、
チャットのいいところとして、いい意味での「人感」があると思う。
それによって、「ナチュラルな突然のレコメンド」がハマるっていう特性があるんじゃないかな? 
それに対して、フォームってよくも悪くも、自己完結なので、シートに記入して、「はいっ」って渡すみたいな感覚じゃない?
だから、レコメンドが「突然である」ってありえないと思うんだよね。
 
結果的に、両者を比較すると、チャットのほうが、この場合だったら、5~15%くらい選択率が上がる傾向にあるよ。
 
さて、次に、インタラクティブの演出の応用として、シナリオ分岐っての、考えたくなるよね。
 
実は、この思考にはリスクが伴うじゃん?
そう、離脱だよね。
シナリオ化するってことは、設問数が増えるってことだからね。
ただ、当初、後押ししてくれたのが、前述のケースでの離脱率の低さだったの。
もちろん、原則、入力数減らすのが正なんだけど、得られるリターンの方が大きいなと感じてた。
 
こちらもDM0で成果が出ているケースを紹介していこうと思う。
 
figure03
figure04
 
シナリオ分岐って言ってもそんなに複雑なものじゃないよね。
実は、この発想の元になっているのは「インバウンドのスクリプト」なんだ。
ここまでやると、20〜30%くらいの改善も珍しくないよ。
 
最後に、ちょっと失敗しちゃった例を紹介しちゃおうかな笑
我ながら、「どうかな?」と思ってたんだけどねw
いや、選択率は爆上がりしたんだけど、CVRが爆下がりしてもーたよww
 
figure05
 
チャットボットF1時CRMは、まだまだ始まったばかりで、ウチもクライアントさんと一緒に試行錯誤しながらやってるよ。
 
例えばさ。
チャットボットだって、最後はサンクスするわけじゃない? 
チャットからサンクスへの繋ぎ込みとか、まだまだ研究の余地あるよね。
 
最後になるけど、前回書いた通り、ココで書いたり、セミナーで話したことが、いつの間にかパクられるんだろうけど、別にいいの。
 
だってさ。
このケースでは、こっちの方がしっくり来るかな〜?っていう思考や、
チャットボットに代わる「何か」が出てきた時、
これだったら、こんな手法がいいんじゃね?みたいな思考は、
試行錯誤する過程によって積み上げられていくもんだし、
何より、先行者利益を手に入れられるからさ。
 
一緒にチャレンジしたいっていうメーカーさん、
ぜひお声がけください。
 
一緒にDM0の一員として試行錯誤したいっていう勉強熱心なみなさん、
ぜひFBからメッセージください。
 
we promise your success.

 

祝☆DUOさん上場!サンクスクロスが決算報告書に!

 お久しぶりです。最近、地味に忙しくてブログ更新サボっててすみません!


この前、ていねい通販さんの戸田さんに
「業界全体がDM0化していますね(笑)」っていうお言葉をいただきまして、嬉しいような悲しいような気分の田村です。

以前に
パクってくれてあざます! ~成果報酬1.03億円の矜恃~
の回でも書いたように、
ウチが作ったクリエイティブや、ウチが考えた手法を
使っていただいて、成果が出るのは嬉しいことでもあるので。
でも、折角なら、クライアントさんにうまくいってほしいってのが本音です。

そういった意味で、今回、DUOさんと一緒にやってきた施策の一つである「サンクスクロス」が、
まさか決算資料の2大成長要因として上がるなんて、ホントに感無量っす! 
(ウチの商標の宣伝までしてくれちゃって(笑))

デュオ資料

そういえば初めてサンクスクロスを実行したのはニコリオさん。
ニコリオさんの伸びも鬼がかってましたけど、DUOさんの伸びは輪をかけてエグイっすね。

でも、今日は自慢するために書いてるんじゃないんですよ。

最近、ニコリオの中上社長に、
「最初にまとめ率に手を出そうって言って、実際数値上げんのがすごい」
って言われたこと、めっちゃ考えてたんですよね。

多分、なんかコツがあるんだろうなと思って。
で、折角だから、クライアントさんや、ウチの社員や、
こんな世界の片隅のブログを読んでくださってる方にも、コツを伝えたいなと思って。

と言いながら、
全然言語化できてないし、めっちゃ厨二で恥ずかしいんですけどね(笑)

カンタンに時系列で示すと、

1:圧倒的な数値を狙おうぜ! 
2:できればお留守を狙おうぜ! 
3:概念をズラそうぜ! 
4:なんかないかなぁ。。置き換える! 
5:全能になる! 諦めない! 出るまでやる!

なんか、これ、昔から変わってないなぁ(笑)
ボクね、モテたかったんですよ、マジで。
で、モテるために仕事してたんですよ。

で、地位とか役職とかより、
やっぱ圧倒的な成果出す人ってカッコいいって思われてることに気付いたんすよ。

圧倒的数値ってどんなもんなん?
って話なんだけど、

F2
転換率だったら60%とか?
クロス率だったら50%とか?
まとめ率なら80%とか?
継続率なら95%とか?
クレカ率なら70%とか?

まあ、ここら辺の常識も、自分たちで変えてきちゃってるからね(笑)
でも、上記みたいな数値を思い浮かべたらわかるかと思いますけど、普通のことを普通にやってたら圧倒的な成果なんて出ないんすよね。

あ、もちろん、その前にゴールデンルートっていうか、
どのKPIを上げれば事業がドライブするのかを把握するのは当然ね。
でも、ゴールデンルートなんかわかったとこで、圧倒的な成果なんて出せねーから。

で、圧倒的な数値の出し方で一番簡単な方法が、
「やってないところを探してやる」なんですよね!(超当たり前なんだけど(笑))
サンクスクロスとかマジでその代表っすよ。
DUOさんもニコリオさんもサンクスページめっちゃお留守やんっていうww
アイムピンチさんのサンクス仮予約とかもそうね。
転換率上げりゃぁいいんでしょ。だったら、お留守のF1時でやろうよって。

田村さんブログ図影_未来-1

ここらへんになると、「転換とは何か?」的な話になるんすよね。
これが「概念をズラす」っていうヤツです。

え? わかんない??
じゃあ、もう時効だと思うんで、10年前にDさまでやった例を話すね。 

みんなはメールのパーミッションのオプトインって知ってるよね?
ウチが入る前って、Dさま、メールだけじゃなくてDMもオプトインだったのよ。
今でも、店舗系の会社さんだとよくあるよね? 

「セールとか新商品とかのDM送っていい? よかったらチェックしてね」ってやつ。
で、それがめっちゃもったいないじゃない?

そこで、思いついたのが、
「サンプルや会報誌はもはやDMではなく、プレゼントなんじゃね?」説。
そこで、丁寧にレター入れて、オプトアウトの連絡先も入れたの。

どう? なんとなく伝わった? 
さあ、いいとこまで来たね。お次は、置き換え!
 
例えばDM0にはさ、「お役所DM」っていう手法があるんだけどさ。
その起源である、フジッコさんのクリエイティブ見てみてよ。

田村さんブログ図影2お役所

どう、この圧倒的市役所感! そこはかとなく醸し出される、お役所的ダサさ。
お役所からのお手紙って見るよねっていうところからきてるんだけどさ。

やっぱこれも、
「オフライン一発で40%のアクション率を獲りて! 獲りたくてしかたね!」
っていうところから産まれてるんだよね。

ニコリオさんの初期のまとめ画面とかも同じ発想。

田村さんブログ図影2ニコリオ

鈴木ハーブさんのチャットボットレコメンドなんかは、
インフォマとかのコールを置き換えてるよ。
田村さんブログ図影2ハーブ

さて、いよいよ、最後。
もう気付いてると思うんだけど、
圧倒的数値を出そうと思ったらさ、
無理しなきゃいけないし、やったことのないことばっかりだからさ。
どうしたってめんどくさいし、反対されることもあるし、難しいし、

何よりさ。
「うまくいかなかったとき責任取らなきゃいけないし…」って思うと思うのね。
でも、大丈夫!

だって、上手くいくかどうかが目的じゃないじゃん(笑)
それに、これ繰り返してくと、実際、強くなれると思うよ。

さあ! 次はキミの番!! パクったり、トレースしてても圧倒的成果は出せないぜ。
一緒に勝負できる日を楽しみにしてるぜ!

あ、改めて、DUOさん、おめっす!

田村雅樹
Masaki Tamura

ダイレクトマーケティングゼロ代表取締役社長。
1972年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、「株式会社ベネッセコーポレーション」、大手化粧品会社を経て、2009年に通販専門のコンサルティング会社「ダイレクトマーケティングゼロ」を設立。
通販化粧品・健康食品企業を中心に計500社以上の顧問・コンサルティングを行う。「AMIDAS」や「通販7指標必勝方程式」などの独自理論を打ち立て、クライアントの売上を20倍上げた実績をもつ。
「DMA国際エコー賞」「ケープルズ賞」をはじめ「全日本DM大賞」などダイレクトマーケティングに関する賞を国内外で通算40冠受賞。
著書に『ゼロからはじめる通販アカデミー』(ダイヤモンド社)がある。講演・寄稿等多数。

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