Golden Route Strategy

田村雅樹

Recent Posts

三匹の子豚とD2C

 
この前、3歳の娘に『三匹の子豚』の抄訳絵本を読んでて、
あまりのすっ飛ばしストーリーにびっくりしたんですよ。
 
 
 
ざっくり言うと、
 
子豚が3種類の家を作って、、、
藁の家吹っ飛ぶ、木の家吹っ飛ぶ、レンガの家飛ばない。
オオカミが煙突から入ろうとしたら、お湯沸いててアチチって逃げてった。
良かったね!!
 
 
みたいな感じ。
 
 
 
いやいやいやいや。
 
まあ、ファクトだけ並べたらそうなんだけどww
 
 
  
個人的にこの寓話の大事なところって、
 
サクッと作った藁の家と木の家の子豚が、
レンガの家作ってる子豚を馬鹿にするところ
 
だと思うんだよね。
 
 
さて、絵本の話はこれくらいにして、
今日の本題に行くんだけど、その前にちょっと共有したいことがあるんだ。
 
 
 
ボクは仕事柄、月次RFスイッチ率表をつまみに3時間は飲めるくらいには
色んな会社のRF表を見てきてるって話は
以前の
 
とか
 
で話してきたと思うんだけどさ!
(話してないかww)
 
 
そんなボクが、マジでビックリしたRFを
3つばかり紹介していこうと思う。
 ※数値は多少加工しています
 
 
1つ目はコレだ!
 
 
 20240328_rf-table01
 
 
 
いや、ナニコレ珍百景!  
 
 
めちゃめちゃ数字ゴツイんですけどー! 
 
 
 
しかも恐ろしいことに、このRF...
 
完全非定期
 
なんすよ。
 
下手な定期の継続率を軽く凌駕する、圧倒的3ヶ月以内リピート率。
 
 
このRFスイッチ率表でみんなに伝えたいコトは、
 
「大切なのは契約形態なんかじゃない。
いることが当たり前の存在になれてるかどうかなんだ。」
 
ってこと。
 
 
 
もちろん、この関係を維持するためには、相当の努力を要してきたと思う。
 
疎遠にならないように。
重すぎないように。
気に入ってもらい続けられるように。
マンネリ化しないように。
優しさを感じ取ってもらえるように。
 
長い年月をかけて。
 
 
 
はいはい。
お前らの言いたいことはわかりますよ。
 
「いやいや、言うて『都度買い』だからっしょ。ウチ定期なんすよ」
 
でしょ? 
 
でしょうねでしょうね。
 
 
 
 
じゃ、次いってみよー!
 
2つ目はコレだ! 
 
20240328_rf-table03
 
 
 
さっきのRFと比べるとだいぶ落ち着いてるように見えるよね。
 
でも、驚くなかれ! 
 
 
これ、元定期者のRFなんよ!!!
 
 
 ちなみに定期者のRFはこんな感じね。
 
 
 20240328_rf-table02
 
 
 
もちろん、この関係を作り上げるためには、相当の努力をしてきたと思う。
 
 
信頼されるように。
誠実さが伝わるように。
役に立ちたいという思いを忘れないように。
距離感を近く感じられるように。
 
長い年月をかけて。
 
 
はいはい、お前らの言いたいことはわかりますよ。
 
 
「いや、言うてウチも負けてないんじゃないっすかね?」
 
 
うーん。。正直9割負けてると思うけど、
 
 
まあいいや。
 
 
 
とっておきのヤツ、出してやるYO! 
 
 
 
喰らえ!!
 
 
 
 
20240328_rf-table04
 
 
 
 
いや、R深っ!  
 
 
R36って3年だぜ! 
 
 
 
3年前の元カノから夜中にいきなり、
「いつ空いてるの?」ってLINE来るコトある? 
 
 
 
もちろん、この関係を(以下省略)
 
 
 
 
 
 
さてと。
 
 
実名出せないんだけどさ。
どこも20年選手よ。
 
 
そしてどこもお客様との向き合い方が一貫してる。
 
 
 
こういうRF見るとさ。
 
 
「長い年月をかけて、お客様との繋がりを作り上げること」
ってのが、如何に大切かってことを思い知るんよ。
 
 
 
もちろん、短期的なユニットエコノミクスを合わせないことには、
霞食って生きるわけにはいかないこともわかってる。
 
 
でも、回収に時間が多少かかったとしても、
できれば2年目残存率の高い合わせ方をしてってほしいぜ。
 
 
お客様に向き合い、接し続けた時間が長ければ長いほど、
積み上がった関係も壊れにくいんじゃないかな? 
 
 
 
 
 
そう。レンガの家のようにね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

俯瞰と想像力

 
 
 
 
あけおめー! (遅くてすみませんww)
いやー、なんだかんだ1ヶ月近くタイに行ってまして、
スロースターターですみません!! 
 
 
 
帰ってきた第一声は
「日本最高!」
だったんだよね。
 
 
 
普段はなんも感じない
タクシーの運転手さんの気遣い。
 
普段はなんも感じない
お風呂が自動で溜まる感じ。
 
普段はなんも感じない
おしぼり。
 
普段はなんも感じない
料理の提供スピードと取り皿。
 
 
 
 
つまり、外から見ることによって、
中がよくわかるっていうコト。
 
 
 
 
 
旅とは「多比」である。
 
っていうタイトルのブログを昔、書いたことがあるけど、
コンフォートゾーンを意図的に抜け出して、
より俯瞰で物事を考える癖を無くさないようにしたいよね! 
 
 
 
 
で、本題なんすけど、
俯瞰と言えば、施策を実行する際にも、
同じように近視眼に陥ることがたくさんあるんすよね。
 
 
新年一発目は、そんな事例をいくつか紹介しながら、
2024年、みんなが竜のように飛躍できるようなTIPSを交えながら
俯瞰の大切さを伝えていきたいと思います! 
 
 
 
 
 
1:過去数値絶対系近視眼
 
これは、休眠復活とか
難易度の高いアップセルとかでのあるある。
 
過去の数値が鬼低いんだけど、
そこを基準に考えちゃうパタンね。
 
 
例えば新年早々(1月16日ww)のクライアントさんとのやり取り。
 
 
「ボット内アップセルを実施したいんですが、テスト母体どんくらい必要ですか?」 
 
 
 「アップセル率の目標は?」 
 
 
 
「アップセル率は3%で想定しています」
 
 
 
「ん・・・・?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ボット内アップセル率3%!? …絶対CVR低下の影響の方が高いやん!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「アップセルしても全体が下がったら意味ないやん・・・!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いや、確かに知ってるんです。
 
過去に手を変え品を変え、色々アップセルを実施してきたけど、
2%だ3%だっていう結果だったこと。
 
商材によってはアップセルがむずいこと。
 
 
 
でも、ボクらは別商材で60%アップセルしてるじゃないですか。
 
 
 
目標設定が全てだっていう話、
エベレスト理論のブログでしたじゃないっすか!
※もしピンと来ない人いたらもう1回読んでね
 
 
 
 
 
 
「目標設定低すぎでしょ!!!」
 
 
 
 
 
でも仕方ない。ボクの力不足です。
こういう近視眼の原因はシンプルにCASE不足なんだと思う。
 
 
 
 
 
 
世界は広い。
幸いDM0は、様々な条件下におけるKPIの相場、MAXを圧倒的に司ってる。
 
ぜひ一緒に数値を吸収して、相場観を磨く2024年にしようぜ! 
 
 
 
 
 
 
 
2:朝三暮四系近視眼
 
これもめっちゃよくあるんだけどさ。
 
何か施策を実行する時って、動かしたい数値があるんだけど、
その揺り戻しを想定できてない場合って結構あるんだよね。
 
いちばん分かりやすい例は、
F2転換プログラムのリバイスとかで起こるケースっすね。
 
 
 
 
例えば、少し前だけど、2stepで転換率が伸び悩んでる(20%とか)の会社さんの話。
 
 
 
「日別転換率、前半の伸びが悪いのでプロモーション強化します。」
 
 
 
 
 
 
 
 
「よしやってみよう!結果どうだった?」
 
 
 
 
 
 
「前半の転換率、上がりました!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
「OK!で、最終的にどんな感じ?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いや後半で追いつかれてるー!!」
 
 
 
 
 
こういう「後半垂れるリスク」っていう、
超当たり前の揺り戻しの想定ができてない人って結構多いんすよね。
 
 
 
 
 
流石にわかるって? 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
じゃあ、もう少し複雑な話。
 
この前、クラインアントさんのコールセンターさんが
インバウンド時のアップセルスクリプトで
2段階アップセルを行なってた時の話。
 
 
 
 
 
 
「アップセルスクリプト変えたら、2段階目のアップセル率が40%→60%に上がりましたー!!」
 
 
 
 
 
「ほうっ!!数字見して。」
 
 
 
 
 
 
 
「ブハッ!1段階目のアップセル率が85%→60%に下がってるー!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ちょっとスクリプト見してみ?」
 
 
 
 
 
 
いやいや…
 
 
「前のハードル上げちゃって、後ろのフォローが効かなくなってるじゃん!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
てか、全然複雑じゃねーwww
  
 
 
 
 
 
 
 
でも、こういうバーターってめっちゃあるあるじゃん。
 
 
 
例えば
クロス率上がって継続率下がる
とか
 
アップセル率上がって解約率上がる
とか
 
CVR上がってLTV下がる
とか
 
クレカ率上がってCVR下がる
とか
 
CTR上がって遷移率下がる
とか
 
初年度LTV上がって2年目残存率下がる
とか
 
 
 
 
 
 
要は、
ノリで入籍したら2年以内に別れる
っていう、
当然、起こりうる影響に対する想像力
 
 
 
 
もっと深掘りすると、
 
 
KPIを変化させる(例えばノリ入籍率を上げる)ことの
本質的な意味(検討時間が減ってアンマッチ率が上がる→離婚率が上がる)
考えながら施策を仕込むってことが
 
朝三暮四系近視眼を防ぐのには重要だと思うぜ。
 
 
 
 
 
 
 
加えて、実戦では
 
「ぬか喜びしない」
 
ってのも意外と重要かもしんない。
 
 
一度ドヤっちゃって、後々揺り戻しで結果大した成果ない
って時、信用無くしちゃうからね。
 
 
 
 
 
 
いや、実際、数々のぬか喜びを経験してきたから言えるんだけどねww
 
 
もしかしたら
 
この風によって桶屋が儲かっちゃうかもしれない
 
 
 
っていうくらい
不安を抱えながら
影響範囲を想像して結果を追うといいと思うぜ。
 
 
 
 
 
 
 
 
3:下流KPI固執系近視眼
 
これは施策を実行したあととかに、こんな風に感じることが多いんだけどさ。
 
 
「もう次行ってもよくない?」
 
 
 
 
 
例えば確認画面離脱が基準値より高いクライアントさんがあったんよ。
(ざっくり30%くらい)
 
 
 
 「確認画面のデザインとかテキストとか変えようぜ!」
 
  
 
「10%くらい改善しました!」
 
 
 
 
 
 
良かった!
 
 
 
 
 
 
 
 
でさ。問題はそのあとなんだけど、
みんなして永遠に確認画面をいじり続けてるわけ。
 
 
 
「次回は確認画面のここを変えてみようと思います。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「まってまって。他に優先してやるべきことあるっしょ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いや、まあ、無駄じゃないとは思う。
 
ただ、初期のインパクト(=優先順位)と
一通り改善した後のブラッシュアップインパクト
全然違うと思うんよね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
他にも、例えば「既存顧客に対するおまとめ施策」。
「チャネル別のおまとめ引き上げ率ってどんな感じ?」
 
 
 
「メールが悪いです。」
 
 
 
 
「確かにメール悪いね。遷移見して。」
 
 
 
 
「いや、CVRめっちゃ低い・・・!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「ん・・・?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「でもちょっと待って、メールの引き上げが10倍になっても0.5%よね?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「てことは、全体のインパクト弱いからサクッと流してもよくね?」
 
 
 
 
 
 
 
悪いところを改善するのはもちろん大事。
 
ただ、場面に合わせて優先順位を変えることはもっと大事。
 
 
 
悪いところを良くするよりも、良いところをもっと良くするって方が簡単だったり、
全体へのインパクトが大きいこともあるからね
 
 
今やってることの事業への影響は常に考えながらもっと高みを目指していこうぜ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
事業を動かしていると、細かく分解してひとつひとつ潰していくことになるから、
各施策を  でしか見れないことはあるあるなのかもしれん。
 
 
ただ、突き詰めると、現在走ってる事業に関しては
 
CPA/初年度LTV/既存ALL LTV
 
の3つしかないわけ。
 
 
ってことは、最終的にこの3つが改善することを目的とした施策しかないわけ。
 
 
 
となると各施策が点じゃなくて線でつながって見えてくるでしょ?
 
 
 
 
だから猫背になって、視野を狭く事業を進めるんじゃなくて、
常にインパクト(現状と理想状態とのGAP)が大きくて、
改善が容易である(=あまり手がつけられていない)ポイントから
順番にやってこうぜ! 
 
 
 
 
 
 
 
 
常に俯瞰する癖を忘れずにね。
 
 
 
 
 
 
 
 

継続こそ至上

こんにちは。
今回はDM0のコンサルにとっての
「至上のKPI」についてお話ししよう思います。

もちろん、ボクらコンサルタントのVALUEというのは、
なるべく早いタイミングで、
クライアントのKPIに対して、インパクトの高い数値結果を出すコトです。

だが、しかし。
それを意識するあまりに、
フレームの提供に走ってはいないか? 

そして、
その戦略は、一時的なLTVを上げているだけで、
本当にお客様の満足度を上げられているのか? 

 

というのも、最近こんな結果を体験しました。

あるクライアントさんのクロス率を
5%→70%に上げることができた。
しかし、それは刺激的なオファーによるものだったんだよね。

だが。その2か月後。
何が起こったか? 

2か月後に起きたコト。

それは、
メイン商品の継続率悪化だった。

要はこんな感じ。


ドン!
Before
before_n3-4

After
after_n3-2

図を見ればわかる通り、
確かに全体LTVは上がっている。
なんてったって、5%だったクロス率が70%になったんだから。

だが、これは本当に手放しで喜べる結果なのだろうか? 
今日はそれを証明しながら、
ボクらのコンサルティングの自己矛盾について
考える機会にしたいと思います。


まず、注目してほしいのは、2年目残存率の予測です。
Beforeの2年目残存率が8%なのに対して、Afterの2年目残存率は3%となった。
まあ、もともと若干寂しい数値ではある。

別に8人でも3人でも殆ど残ってないっちゃ~残ってないコトに変わりはないですよね。

・・・果たして本当にそうだろうか? 


それでは、これを生涯LTVとして考えてみよう。


ドドン!

生涯LTV-3


「おおっ!AfterのLTVが上がっている! よかったじゃん!!」


本当にそうだろうか?
果たしてこれがベストの解決策だっただろうか? 

ボクはそうは思いません。

「どうせ短い付き合いなんで、その間に色々進めて、
中には前よりやめちゃう人がちょっと増えるんだけど、
まあ、最終儲かったしいいっしょ!! 」

…ホントにそうだろうか。。

ボクは、この10年間。いろんな会社の栄枯盛衰を見てきました。
そして、今、はっきりと言えることは

「お客さんに喜ばれる会社はなんか幸せそう」

ということです。

ボクは綺麗ごとを言うつもりはありません。
だが、LTVが上がればそれでいいのか? 

DM0が
Client 1st, の先にConsumer 1st.
を掲げている以上、

少なくともボクらは、クライアントに対して、
顧客視点の模範でなければなりません。

お客さまのメイン商品の継続率が下がった
という数値の裏側にある、お客さまの感情について、
真剣に向き合う必要があるんじゃないだろうか? 

忘れてはならないコト。
それは、

お客さまが満足しながら、クロス商品を使っていただける状態を目指そう。
最終的にお客さまとクライアントの両方が幸せな顔ができるように改善していこう。

というコトです。

DM0にとっての至上のKPIはLTVじゃない。継続関係です。
少なくともボクはそう信じてる。

ボクらが提供すべきなのはフレームではない。
だからといって説得でもない。役にも立たない接点コミュニケーションでもない。
目の前にいるお客さまの満足であり、お客さまが安心できるサービスです。

みなさんも施策を考え・実行するときには、
改めて「自社が求める至上KPIとは?」を考えてみてくださいね!
We promise your success!

田村雅樹
Masaki Tamura

ダイレクトマーケティングゼロ代表取締役社長。
1972年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、「株式会社ベネッセコーポレーション」、大手化粧品会社を経て、2009年に通販専門のコンサルティング会社「ダイレクトマーケティングゼロ」を設立。
通販化粧品・健康食品企業を中心に計500社以上の顧問・コンサルティングを行う。「AMIDAS」や「通販7指標必勝方程式」などの独自理論を打ち立て、クライアントの売上を20倍上げた実績をもつ。
「DMA国際エコー賞」「ケープルズ賞」をはじめ「全日本DM大賞」などダイレクトマーケティングに関する賞を国内外で通算40冠受賞。
著書に『ゼロからはじめる通販アカデミー』(ダイヤモンド社)がある。講演・寄稿等多数。

メルマガ登録フォーム

最新記事