Golden Route Strategy

オムニチャネルと女性が輝く社会

DMA国際エコー賞と同時に開催されたDMAダイレクトマーケティングカンファレンスで感じた、
日本と世界の違い。

それは、ビッグデータの活用の焦点を、データの加工と分析に置いているか、
ナチュラルかつシームレスなアウトプット連携に向けてているかの一言に尽きると言っても過言ではないでしょう。

たとえば、顧客の購買行動や来訪に合わせて商品構成や入札価格を変更するのはもちろん、
データ共有した他社においての顧客の動き、オフラインでの動きをもとに広告、
もはやここまでいくと広告とは呼べなく、「個告」最適化して配信可能にするシステムなど。

要はユーザが検索してなくてもリスティング広告以上に絞られた情報提供ができますよってことなんですけどね。
まあ、これからのECの流れは間違いなくそうなると思います。

リアルでのマーケティングに喩えれば、
マルシェでの店舗が顧客との会話によって系列店舗のチラシをすることと同様、いや軽くそれ以上の機能である。
だって店主の知らない他店舗での購買データまで加味されるわけだから。

と、こんな感じで、なんかオムニチャネルとかビッグデータ、
はたまたそのソリューションプログラムを語る際、僕が感じている違和感。
それは…プロダクトアウトの発想です。

「顧客、ユーザへの価値提供」

ここから考えてない。
だからシステム屋が考えそうな、これできます、これもできます!みたいな
それっぽいけど使わない機能満載のBIプログラムができ、それを使いこなせないメーカー側がいるっていうのがなう、また3年後です。

さらに、このプロダクトアウトの発想の危険性というかダサさっていうのは、
顧客はそもそもオムニチャネルしたいなぁって思ってないってことです。
できてて当たり前のことをわざわざ言ってしまうのが、
できてないことを露呈しちゃって、変に意識しちゃって形から入っちゃう感覚、
これって「女性が輝く社会」みたいなどっかの政党の標語と一緒じゃないですか?

言われた時点で輝いてねーよっていう。

自分自身振り返ってみると、バリアブルに酔うっていう時代がありました。
ご存知のようにバリアブル印刷って個別にメッセージを差し替えられるので、
広告漫画の主人公の名前を本人と揃えてりとか、無駄に語尾を方言にしてみたりとかやったことあります。

ま、かなりレベルが違う例で恐縮なんですけど、顧客不在なんすよね。
そんなとき、僕がよく使う顧客志向に戻る必殺技。
それが「どんなことでも可能なリアルだったら」っていう「世界の置き換え」です。

それで、自分が顧客になってみたり、消費者になってみたり、店主になってみたりするんです。
それで、どんな状態が理想かなぁ?って考えるやり方。
マーケティングの得意な人は、たいていこの思考回路があります。

憑依と置き換えを癖づけていきたいですね。

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田村雅樹
Masaki Tamura

ダイレクトマーケティングゼロ代表取締役社長。
1972年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、「株式会社ベネッセコーポレーション」、大手化粧品会社を経て、2009年に通販専門のコンサルティング会社「ダイレクトマーケティングゼロ」を設立。
通販化粧品・健康食品企業を中心に計500社以上の顧問・コンサルティングを行う。「AMIDAS」や「通販7指標必勝方程式」などの独自理論を打ち立て、クライアントの売上を20倍上げた実績をもつ。
「DMA国際エコー賞」「ケープルズ賞」をはじめ「全日本DM大賞」などダイレクトマーケティングに関する賞を国内外で通算40冠受賞。
著書に『ゼロからはじめる通販アカデミー』(ダイヤモンド社)がある。講演・寄稿等多数。

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