CRM大学第2回:通販・ECのCRMで最も重要な3つのKPIを改善し、ゴールデンルート®への顧客誘導率を上げよう

Posted by 田村雅樹 on Jul 30, 2018 5:11:27 PM

前回のコラム『顧客構造を分解してゴールデンルート®を見つけようぜ!』はご覧いただけましたか? 顧客セグメント別に分岐点があり、CRMとは顧客のステイタスに応じて「優良顧客へのルートに導くコミュニケーション」だというコトがわかったと思います。

っつーコトでCRMは、CRMシステムやWEBツール導入によって叶えられるものではなく、ましてやキャンペーン・メルマガ・DMのことでもないというコトが、「EC/通販メーカー」の皆様に伝われば幸いです。

さて、その後、ゴールデンルートへのディシジョンツリーはできましたか? 

え? 

「理屈はわかるけど、データ抽出の部署にうまく伝えられない」? 

「そんなコトより今月の売上が心配」 ? 


もう。。。しょ―がないなぁ。。。

じゃあ、今回は特別! 

ゴールデンルート分析をしなくても、大抵の通販会社にあてはまる、
「既存顧客CRMを行ううえで、絶対押さえとくべき、3つのKPI」を教えちゃいます♪

 

第2回:通販・ECのCRMで最も重要な3つのKPIを改善し、
ゴールデンルート®への顧客誘導率を上げよう

要するにですね。

前回も言ったように、ゴールデンルートは「入口に近いほど効果が高い(場合が多い)」んです。 

ですから、「分岐の少ない段階(=新規顧客に近い段階)」で「特徴的な動きの顧客(=パーセントの多い顧客行動パタン)」かつ「分岐のLTV差が大きい因子」を動かしてあげることが、イチバン効果が高いってコトっす!! 

アンダスタン? 

さて、上記3つの条件を満たす「KPI」、すなわちゴールデンルート誘導率を効率的に上げられる、すなわちYOUの会社のLTVを上げられる最重要「KPI」は。。。

コレだ!! 

1.F2転換率
2.定期加入率(&定期継続率)
3.クロスセル率

一見誰でも知ってるように見える上記3つの率。
しかし、これらをUPするコトが如何に破壊的な売上改善を生むか、ホントに御存知ですか?? 

ホントにイケてるEC/通販会社は新規顧客獲得CPOを下げるための、媒体選びやクリエイティブテストの回数と同じくらい、上記の率を上げるテストを繰り返していることを御存知ですか? 

なぜ、大切なのか? 

まずは、上記3つを含めたルート別のLTVマップを作成したので、ご覧ください! 

<ゴールデンルート®誘導率を高めるCRM重点KPI概略図>

1-4

■1.F2転換率を上げようぜ!! 

上の図の分岐別LTVを見ていただいてもわかる通り、90日以内F2転換者と90日以内F2非転換者のLTV差は、恐らくどんなEC/通販メーカーでも、他のどんな分岐よりも一番大きい値になっていると思います。

特に、新規顧客獲得をトライアル購入で展開している企業では、この数値は死活問題。

逆に改善できれば
「改善した%のUP率分」×年間新規顧客数×「転換者と非転換者のLTV差」
で、毎年売上が増えていくという、恐ろしいインパクトをもったKPIなのです。

さて、ココではわかりやすいように、トライアル商品で新規顧客を獲得している企業のケースに絞って考えていきましょう。

<YOUのEC/通販のトライアルからの90日以内F2転換率は何%ですか?> 

EC/通販のトライアルからの90日以内F2転換率は何%ですか?
勿論、新規時とF2時の価格ギャップによって若干のブレはあります。

しかし、

「オトコは黙ってF2転換率UP!」
転換率UPのプログラムは4つのポイントの最適化が重要です。

F2プログラム設計フレームワーク

「適当なコト言ってんじゃね―よ!」
と思われるかもしれません。

たしかに(笑)!! 

実際はそれぞれのオプティマイズ過程で、すべてデータオリエンテッドの考え方をしていくのです。
要は、分析して、お客さまの動きとLTVに合わせて、素直に計画を立て、流れとROIを重視しながら設計し、つくっていくのです。
そうすれば、「確率的」に負ける可能性を減らせます。

証明しましょうか? 手前味噌になりますが、成功例を挙げますと、
A社さんでは1.3倍に、B社さんでは1.7倍に、C社さんでは2.3倍に、D社さんでは20倍(笑)になってるんですよ。


<未実施Z社と弊社クライアントの比較>
F2転換プログラム実施前後の比較


転換率UPプログラムの作り方は、そのうち詳しく説明します!! お楽しみに! 

あ、そうそう。もし、
「DM0の転換率UPプログラムを回して、転換率が上がらなかったよぉおおおおん(涙)!」
っていう会社様がいらっしゃったら、コメントに書き込んでくださいませ(真剣)!!  
ボクの記憶には無いんですけど、万が一いらっしゃれば、責任をとってリバイスさせていただきますから。


さて!! 

実はF2転換率にはもうひとつコツがあるのです!! 
それは初回受注時に、2回目の受注の確約をもらうというやり方です! 

それが、
「初回購入時の定期顧客率を上げる」
という手法です。


■2.初回(or F2)定期加入率を上げようぜ!! 

定期加入率をもっとも上げやすいポイント。
それは誰がなんと言おうと、「初回購入時」です。そして定期顧客のLTVが非定期顧客のLTVより高い。
「そーんなーのージョーシキー♪」

さらに、初回定期率を上げるってコトはですよ、
なんとF2転換率まで上げられちゃうっつー、まさにグリコ!!

いや、ちがう。一粒で二度おいしいってやつ!!
なので『新規顧客獲得時に、如何に定期購入してくださるお客様の割合を増やせるか?』が超大切!!

ただ、新規顧客獲得時のオファーを定期購入に限定してしまうと、CPOが悪化してしまうケースも散見されます。
であれば。。。受注までは単品(orトライアル)、受注完了時には定期購入。
そんな風に、途中でお客様に変更していただけるフローをつくるのがポイントです。
その手法を、弊社では「受注時定期スイッチ」と言っています。

やり方は、追って、このコラムで紹介していきますが、目安はwebなら40%以上、リアルなら80%以上。
これに加えて、2回目購入時の定期加入率も極限まで上げていきましょう。

Why?
Because 早い段階の定期顧客化がゴールデンルートの第一条件な場合が多いからです。


ま、これができたら、次は「定期継続率」を上げようぜっていう話なんですが、
もう疲れてきたので、重要な2つのフレームと3つのキーワードだけ伝えますね。


まず、定期継続率を上げるには
「形式(仕組み)」で上げる方法
「内容(なかみ)」で上げる方法
の2種類が存在します!! 

そして、「なかみ」で上げる方法の際に押さえとくと良い、3つのテーマ。

それは。。。


「活用」
「期待」
「満足」

うーん。。。わかりやすい♪ 知ってた? あっそ。。。

ちなみに、ボクがCRMのキソを学んだベネッセコーポレーションでは、この3つのファクターの中でも、「活用」を最重要視しています。

いずれにしても、DM0がコンサルしている会社ではこの3軸で顧客調査を行い、継続率との相関を分解し、お客様特性に合わせて「定期継続プログラム」というものを設計してます。


■3.クロスセル率を上げようぜ!!

クロスセルは、一般的に大きく分けると2つの見方をされています。

1つめが、「1受注での複数SKU購入される割合」
2つめが、「一定のFrequency時までに、異なるSKUを購入している顧客の比率」

今回、ゴールデンルート作成時に特に注目したいのは、後者です。

弊社はコンサルティング時に、「○回目購入までの既存顧客のクロスセル(=クロスバイヤー)率」というのを出してもらっています。
ある購入回数時点までの顧客全体の中で1アイテムだけではなく、2アイテム以上購入のお客様の占める割合です。
(ちなみに、この手法は特に初回商品が単品の場合に有効です。)

なぜか。


<購入アイテム数が多いと、LTVが高い顧客になる>
クロスセル率と360日LTVの関係

クロスセル率を高めていく具体的な方法については、今後のコラム内で詳しくお話していきます。

ふー、疲れたー!!!

さて、今回は3つだけ、と言いつつさわりを説明するだけで少し長くなってしまいました。

が、ここからが肝心! だって、重要な項目がわかったところで、上げ方がわからなかったら意味ないでしょw

今回ピックアップしたゴールデンルートへの顧客誘導率を高めるためのCRM「基礎」重点項目3つについて、気が向いた時に、説明してくから、みんなリクエストちょーだい! 

はい!まとめ!

とりあえずさ! YOUのEC/通販メーカーでは、どう? ココらへんの数値ちゃんと出してる? 
そんで、KPIにちゃんと設定できてる? 
できてて当たり前! じゃあ、ボクが提示した『基準値』超えてる?? 


<今回出てきた3つの基準値>

通販CRMで最も重要な3つのKPIの基準値

そうそう、一応エクスキューズしとくと、
商品の種類とか価格とか価格差とか、各KPIに変数は山ほどあるから、個別の相談はDM0のinfoにメールくだされ。

また、そもそも定期定期うるせえけど、自分とこアパレルなんですけど(怒)
みたいな人、それはそれで、やり方あるから一緒に考えていきましょっ。

それじゃあ、リピート消費財を扱ってるEC/通販企業のYOUへの宿題! 
『新規が単品(1SKU)の会社は「3回目購入時までのクロスバイヤー率」と経験点数ごとのLTV出しといて!』


わかんなかったら気軽に聞いてくださいね☆
よろしく!!

Topics: CRM大学, マーケティングコラム