皆さんこんにちは!
ダイレクトマーケティングゼロの末吉です。
以前もこのコーナーでお話した定期継続率を上げるための施策。
ポイントは、回数別継続率と回数別解約理由から、解決すべき課題を特定することとお話しました。
この課題の特定に有効なのが、既存顧客・離脱顧客へのアンケートです。
今日は、課題抽出のためのアンケート施策を実施するうえで押さえておきたいポイントを3つお伝えしたいと思います。
目次
■はじめに:アンケート施策とは?
■押さえておきたいポイント
┗1. アンケートの設計~カスタマージャーニーを軸に~
┗2. 継続者と解約者のGAP~継続のためのキーワードを探る~
┗3. アンケート送付対象
■最後に
はじめに:
アンケート施策とは?
アンケート施策とはWEB(メール)・TEL・同梱物などのツールを使って既存のお客様や離脱した(もしくは休眠)のお客様の実際のお声や商品に関する感想などをアンケートによりヒアリングしていく施策・手法です。
ヒアリングしたお声や感想などをもとに商品のリニューアルを行ったり、新規獲得や継続を促すための武器を作ることを目的としています。
今回は一番簡単かつ費用も大きくかからないWEB(メール)でアンケートを行う際のポイントについてお話します。
押さえておきたいポイント
①アンケートの設計
まず押さえておきたいポイントは、お客様にお送りする「アンケートの設計(=中身)」についてです。
企業様からご相談を受けて、すでに実施済みのアンケートを拝見すると
「商品を使っての満足度は?」や「この商品を使ってみてよかったことは?」
のような抽象的な質問を設定しているケースが多いです。
また、いきなり「商品を使ってみた感想をお聞かせください」という核心を突く質問を用意している場合も多々あります。しかし、継続者はともかく、解約者は一度やめてしまったお客様なので、そもそも商品のことを覚えていない可能性も……。
そのため、DM0では質問項目を設計するときに、カスタマージャーニーを意識することをおすすめしています。
お客様がどのように商品を認知し、実際にどのような方法で購買に至り、商品を使っていったうえで感じた変化や実感などを時系列で整理するのです。
このようにカスタマージャーニーに即した質問を用意することで、お客様にスムーズに回答いただけるのです。
次は実際の質問内容について、DM0が継続を考えるときのフレームに即してお話します。
一旦DM0で継続施策を考えるときのフレームについておさらいしておきます。
詳しくは、定期継続率を上げるための3ステップで紹介していますので、併せてお読みください。
上記のようにDM0では定期継続のなかでも気持ちに関わる(=精神的)な部分について、「活用度」「期待度」「満足度」の3つに分解して考えています。
実は、解約理由のほとんどはこの3つで説明することができます。
例えば
顧客の解約理由で「商品余り」による解約が多い場合は、「活用度」が低いことが課題となります。
活用にまつわる質問を細かく聞いていき、課題解決の方法を探ります。
このように、活用の認識と状況、また余りについての質問をしてみるといいと思います。
化粧品でよくあるのが、本来2プッシュ使うところを1プッシュしか使用していないというように正しい量を使用できていない、また、使用順序を誤っていたなど、正しい使用方法を理解していないというケースです。
サプリメントでは、量の誤りのほかに、飲み忘れというのもありがちなケースです。
アンケートの回答から、このようなお客様のつまづきのポイントを探り、正しい活用方法やそのための仕組みづくり、こういった使い方はNG、など伝えるべき情報を検証し、会報誌などで丁寧に伝えていくことが重要です。
例えば
「効果実感なし」や「思ったような効果を得られなかった」という場合は、「期待度」「満足度」が離脱の要因と考えられるため、それに関係する質問について細かく設定していきます。
上記のように、商品を購入したタイミングで最も期待していたことや、なりたい像がどうであったのか(どこに顧客の期待があるのか)をヒアリングします。
そのうえで、実感した項目で大ゴール(期待していた実感・効果)と小ゴール(大ゴールではないが、早いタイミングで実感した効果)を分けて、商品同梱ツールなどでそれぞれのタイミング応じた「兆し」の気づきを促すことが重要です。具体例は、「②継続者と解約者のGAP」でご紹介します。
なお、アンケート回答の手間を減らす(=回答率アップ)ため、自由記述を減らし、選択式にする等の工夫も重要です。
②継続者と解約者のGAP~継続のためのキーワードを探る~
次に押さえておきたいポイントは、継続者と解約者の回答のGAPを見るということです。
DM0で行うアンケート施策では、継続者と解釈者の回答のGAPを重視しています。
どういうことかというと、まず下記のアンケートをご覧ください。
継続者は商品に対し、「信頼できる」「機能が優れている」「価格がリーズナブル」というイメージを持っている方が多いという結果になります。
しかしこの結果だけを元に、LPや同梱ツール等に
「うちの商品は○○なので信頼できます!」
「新し成分が入っているので機能が優れています!」
「定価から○○%割引で価格がリーズナブル!」
というコンテンツを入れてしまうのはNG。
なぜかというと、
このように、解約者にも同じ質問をしたときに、解約者は「価格がリーズナブル」であるといイメージを持っている人が継続者に比べ多いですよね。
言い換えると、「価格がリーズナブル」である、というイメージを持つ人は、解約者になりやすい、ということです。
その逆に、「信頼できる」というイメージを持つ人は継続者に圧倒的に多く、継続解約を分ける因子である、ということになります。
つまり、新規獲得時や同梱ツール等で、商品の信頼を醸成するコンテンツを増やし、
「この会社の商品は、信頼して使うことができる」
というイメージをお客様に持っていただくことが重要となります。
前述の、実感した項目で大ゴール(期待していた実感・効果)と小ゴール(大ゴールではないが、早いタイミングで実感した効果)の設定も、この継続者と解約者のGAPから見つけ出すことができます。
例えば、下記のようなシミケア製品のアンケート結果があったとします。
このアンケートで着目すべきは、どこでしょう?
・
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・
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・
・
正解は、
●乾燥の改善
●くすみの改善
です。
継続者は初期にくすみの改善実感がありますが、解約者はほとんど実感していません。
つまり、「継続者」になっていただくためには、初期実感として乾燥の改善があることに気づいていただく必要があるのです。
一方、解約者は半数近くが乾燥の改善を感じているものの、継続には至っていません。
しかし、潤い実感があるということは、肌はいい方向に向かっている証拠。これこそがシミの改善につながる、というような継続意向の高まる訴求をすることもできるでしょう。
以上のように継続者と解約者GAPから、継続につながるキーワードを見つけ出し、丁寧に訴求することが継続施策では最も重要です。
③アンケートの対象者数
最後はどれくらいの顧客数からアンケートをとるべきかについてお話します。
回答数が少ないと結果にブレが出てしまう場合もあるため、回答率を見越して送付数を設定し、回答数を担保することが必要です。
商品やブランド、その他いろいろな要素がありますが、回答率の目安は下記のようなイメージです。
インセンティブの有り無し、設問数により回答率に差はあるものの、
平均値は
継続者=10%前後
解約者=2~3%前後
です。
もちろん回答数が多ければ多いほど精緻なものになり、分析の精度も上がっていきますが、ミニマム数としては
継続者=500回答
解約者=500回答
を回答サンプル数として設定するとよいと思います。
最後に
今回、定期顧客継続率アップのためには、アンケートで解決すべき課題を特定することが有用であり、アンケートづくりにはコツがあることをお話しました。
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執筆者:末吉 長臣