初めまして、ダイレクトマーケティングゼロの萩原です。
私はこの業界に入って10年強(と曖昧にしておきたいお年頃♡)紙やWebという媒体を通して通販クリエイティブに携わってきているのですが、今回『DMと会報誌のクリエイティブにおけるポイントを書け』というお題をもらいました。
範囲の広さに愕然としました。
色々ある…色々ありすぎる!
今回は基本の押さえておくべきポイント5つに絞ってをお伝えしようと思います。
目次
プロローグ
1.「40代シミに悩む女性」って誰よという話
2.ギャップ萌えとかいらない
3.私だけを見てよって思うよね
4.「実はね…」から始まるコミュニケーション術
5.最後に優しさをひとふり。
エピローグ
プロローグ
いきなり精神論ですが、個人的には大切 of 大切だと思っていることがあります。それは、DMはラブレターだよってことです。トラブルなく仕上がることでも、社長から「今回のいいね」と言われることでもなく、届けた先の相手の心をいかに揺さぶり、なにがしかの行動を起こさせられるか、そこだけを目指して作っていきましょうね、と言う話です。
特に制作を外注する場合は、外部スタッフの“目線の先”がどこを向いているか、クライアントに向きがちなので常に気を配ることが大切です。
1.「40代シミに悩む女性」って誰よという話
DMづくりにおいてターゲットを決めることが大切と言う話は、ここで言うまでもないのですが、そのターゲットの決め方、皆さん甘いです。
「40代シミに悩む女性」だけじゃ、よくわからなくないですか?実際。
なので、もうちょっと詳細に、自分の中でリアルにイメージできるようにターゲットを絞っていきましょう。
「43歳埼玉県川口市に住む〇〇田△△美さん。職場は新宿でお子様は男の子10歳。夫は大手町勤務で世帯年収700万。愛読書はVERYで若い頃はよく西麻布で飲んでた」
みたいな、その人の人となりがわかるぐらいまでターゲット絞っていくと、じゃどういうコピーがささるか、どういう封筒デザインだと開封してもらえるか、がおのずと見えてきますよね。
ちなみにこのターゲット像ですが、勝手に妄想で決めるよりも、過去お会いしたお客様やアンケートなどによってより正確なものを出すようにしてくださいね。
2.ギャップ萌えとかいらない
ギャップって大事ですよね。わかります。大好物です。
でもね、でもDMにおいて以下のギャップはもう致命傷。命取り。
「このDM、『つまんなそう、売り売り』に見えて中に有益な情報詰まってるんです!」
そんなの知ったこっちゃない、その中身、ごみ焼却炉のおじさんがかろうじてゴミからあふれ出た時に見るかもね!っていうぐらい誰にも知られず闇に葬り去られます。
そう、DMにおいては第一印象がすべて。ここで興味持ってもらえないと、ギャップ披露するチャンスは永遠に来ません。
いかに郵便物の仕分けのときに「後で見るかも」と思ってもらえるか、むしろ「ナニコレ?気になる!」と思ってもらえるか。そのためには立体にもするし金箔も貼ります。
<事例①>
2018年度のDM0年賀状(年賀箱)。他の年賀状には絶対に埋もれない仕様です。
<事例②>
とあるクライアント様のお正月クーポン。金箔のインパクトで、開封率アップを狙います。
ギャップ萌え狙わないで、とにかく外装で中身の魅力を全部伝えるぐらいの気持ちで作りましょう。
3.私だけを見てよって思うよね
はるか昔の話ですが、合コンの後女性だけで反省会をしていた時のこと…(女性の皆さん、経験ありますよね?ね?)「ピロン♪」「ピロン♪」と全員のラインが順番になったわけです。
それで開くとですね、「今日は〇〇さんと飲めて楽しかったです!また飲みましょう!」と名前だけバリアブルで、その他一言一句同じ文面でみんなに届いたのですね。
定型文かな?っていうね。ちょっと素敵な方でも、これにはその場にいる女性陣全員興ざめ。みんな「私だけ」を望んでいるんですよね。定型文とかいらないわけです。
話が逸れたようで逸れていないわけですが、これ、ラインだと「そんなのやらないよ!」ってなるけど
DMだとやっちゃってませんか?
皆に売りたい、皆にささるDMにしたいと欲張りすぎて、ターゲットがぼやけた、無駄に汎用性の高いDMになっていることってものすごい多いです。
なので社名や品名を変えたら他の会社でも使えるもの、ターゲットを変えても使えるもの、みたいなフワフワDMは今すぐ赤入れをしましょう笑
自社でしか言えないことって何?今回のターゲットの方にしか言えないことって何?それをたくさん考えてコピーに落とすことを常に覚えておいてください。
4.「実はね…」から始まるコミュニケーション術
女性特有なのかわからないですが、ぶっちゃけトークをすることで仲良くなるって、よくありますよね。それ、DMでも同じです。
DMって、すごい意地悪な言い方をすると、誰が作っているのかも分からない、仲良くもない会社から突然届くものですよね。これだと「私宛じゃない」って思いがち。これって、距離感の問題だなと思うわけです。“企業”と“自分”って相当遠いですよね、一緒にランチできないし、気になる悩みについて相談なんてなおさらできません。でもそこからほんのちょっとだけでも人肌が伝わってくると、がぜん“企業”が“人”になってくるんです。“人”なら同じ人間だし、言葉も通じるから仲良くなる可能性、高まります。
この“人”感、どうやって出すかというと、ほんのちょっとぶっちゃけるっていうのが一番ライトにできる方法です。
例えばキャンペーンの伝え方1つとっても、「〇月〇日までの期間限定!」っていうのは“from 企業”。「ごめんなさい!今回のキャンペーンは〇月〇日で終わってしまいます!」というのが“from 人”。ぶっちゃけてる感ちょっと出たのお分かりいただけましたでしょうか?
とはいえ気を付けたいのがバランス。中の人感、というか人感が出すぎると、ちょっとウェットすぎる場合もあるので、自社のブランディングとセットでバランスは見ていくことをお忘れなく。。。
5.最後に優しさをひとふり。
DMは目的が販促であるがために、どうしてもちょっと鼻息荒めに作りがち。でも入稿前の最後(本当はもうちょっと前が理想♡)に、ふぅと息を吐きながらちょっと心を入れ替えて、なるべく別人になったつもりでもう一度フレッシュな気持ちでカンプを見てみましょう。
疲れて家について郵便受けを開けて、このDMが入っている…どう思うかな。とりあえず開けてみて薄目で中身見てみて…どう思うかな。
こんな感じでシミュレーションプレイをしていくと、だいたい入稿前ぐらいの段階だと、足りないのは「お申込みのしやすさ」だったりします。なので、最後の最後には、ストレスなくご購入いただけるように、ほんのちょっとお申込みのお電話番号を大きくしてみたり、締め切りの色を変えたりといった最後のダメ押しのひと手間(これを私は「優しさスパイス」と勝手に呼んでいます)を加えてみましょう。
エピローグ
以上、具体的なノウハウというよりも、考え方に近いお話しを5つさせていただきましたがこれだけじゃ今すぐ実践できないよ!という方多いはず。
(そうじゃないと商売あがったりだし)
そこで最後に超実践的なノウハウを1つ。
それは
「困ったらDM0に連絡をする」これだけ!
なんちゃって♡