Golden Route Strategy

アンカリングの恐ろしさとマッドサイエンティスト

今日は、ちょっと再現性低いけど、
考えさせられる、スーパー些少なCASEについて書くYO!
めっちゃ暇人以外は絶対見ないでね!! 
っていう謎のカリギュラ効果から始めるわけなんですがね。


某化粧品クライアントさんの新規向けのLPまわりでの話。

その会社さんはLPで単品をカゴに入れると
確認画面でまとめ買いできるようになってて
3割くらいの人がまとめてくれてたんだよね。

1-13

課題はクロスだったんで
初回購入時に流れの中でクロス商品も一緒に買える仕組みをコネコネしたら
クロス率が50%まで上がったんだよね。

すげー!もっといけんじゃね⁉ って思って
さらに、最初からLPオファーを選択式にして
「単品」or「クロス」を選べるようにしてみたら
予期せぬ数値に変化があったの。

なんだと思う? CVR?

まあCVRはどっちも多少下がってたんだけど、
確認画面でのまとめ率が謎にめちゃくちゃ下がったのよ。

beforeとafterはこんな感じ。
2-6

つまり、
LPで単品2,000円見たあとに
確認画面でまとめ買い6,000円を見た場合
と、
LPで単品2,000円、セット4,000円ってのをみて
確認画面でまとめ6,000円を見た場合
とでは
その後の選択にめちゃ影響出るって話でした。


もうちょっと心理的な流れを解説すると、
「2,000円と4,000円だと、2,000円がお得だよね!
と思って、確固たるマインドを持ってしまった人が、
あとから3つで6,000円なんだけどどう? 
って言われた場合だと、
え? 2,000円が安いから今更そんなこと言われても~。
っていう風に思うって話ですね。
 
まあ、振り返って考えると、いわゆるアンカリング効果っすね
で説明できちゃうんだけど、
正直、一見関係なさそうに見える要素が
ココまで影響を与えてるなんて
って感じで、軽く感動しちゃったんだよね。

ヒトって可愛くない?って笑

でも、これ、こんな風に応用できるかもだよね。
たとえば・・・

LPを2,000円 or 10,000円にして
確認画面で6,000円にしたらどう変わるだろう?
6,000円が安く感じる?(これは極端な例だけど…笑)

情報に触れる順番を変えることでその後の選択に影響があるってことだから、
これはまだまだいろんなパターンを試せそうだよね。

実は、こんだけたくさんの会社さんのKPIや施策と向き合ってると
他にもこういう、意外な発見ってのは多くて、

A社さんで継続応援として
定期3回目プレゼントっていう
回数またぎのDM送ったら、
プレゼントまでの継続は変わんなくて
プレゼント後2回の継続が10%あがった話とか

B社さんでは遷移ページ数を最小限に削ぎ落したLPより
遷移が多くても体験型のLPにしたらレスポンスが
2.7倍になったりとか。

いや、ホント、まだまだわからないコトだらけっす。
でも、ボクらはけっこう、こういう未知の実験めっちゃ好きで、
すぐやってみたくなっちゃう。


ボクらDM0のコンサルティングは基本的にファクトベースドである以上、
こういった膨大なCASEの中から共通の規則性や傾向を見つけて
強くなっていくわけだし、
その会社やブランドの商品特性やお客さまの属性に合わせて、
カスタマイズして、仮説検証を繰り返して、地道に成功までやるっていう
成功するためには当たり前のことをやってるわけです。
 
最近、ウチコンサルできますっていう会社が増えてるらしく、
MAツールの会社さんとは何が違うんですか? 
とか
代理店さんとは何が違うんですか? 
とか
カートさんとは何が違うんですか? 
とか
言われるんですけど、
 
知らんがな(笑)
めっちゃめんどくさいけど、やるならちゃんとやってあげてね。
なんでもかんでも型に嵌めて、上手くいかなかったら他人のせい
みたいなのだけはやめてあげてね。
 
そういうのが嫌で、DM0を創ったわけだから。
 
っつーコトで、
なんかやったことないけどやってみたいんだよねって人がいたら、
ぜひ一緒にやりましょう!
絶対あきらめずに涎たらしながら実現させてあげるYO!  

負けず嫌いなんで。

まだまだ魔法は使えないっていう悲喜こもごもな話

先日ウチとEC・通販系メディアの皆さんとインタビュー兼忘年会してたら、
ちょっと嬉しい話がありまして。

メディアさん曰く

「今日、取材してたA社さんが、
『ウチに入ってるコンサル会社がヤバイんですよ、ズバズバ解決していって』
って話をしてたんですよ、どこかは教えてくれなかったんですけど(笑)」


おい、それウチだよ! 

あたしだよ。

にしおかすみこだよ!!!


いや、逆に教えてあげてよって思っただけなんだけど。

そういえば、B社さんの社長さんも言ってたな~。
「メーカーさん同士の情報交流会で、ゼロさんの話最高だって評判だから、
今日からわたしもコンサルの場に参加させてください~」って。

ついでに、こないだ
ウチのクリエイティブスタッフと忘年会してたら、
またまた嬉しい話がありまして。

実は、クライアントのCさんに
2分程度のインタビュー動画を撮らせてもらうために行ったら、
10分以上ずーっとウチのぶっとんでるところについて話し続けて
編集困りまくったって話でした笑


そんな感じでHAPPYもたくさんあったけど、
逆に、悲しいこともいくつかありまして。

クライアントのD
社さんで、新しく入ってきた本部長さんに、
成果が物足りないって言われてしまったコト。

ウチ的には結構インパクト出てたんで成果報酬楽しみにしてるんだけど、
そう思わせてしまった責任はウチにあるんで、
「それならもったいないから今月でやめましょう」って言って
やめさせてもらったこと。

もちろん、フェアな関係を大切にしているので、
きちんとこちらから言えたことはよかった部分もあるんですが、
物足りないと思わせてしまったことに関しては、申し訳ない気持ちでいっぱいで、
悔しくて仕方がないっす。


あと一つ、成果といえば、
E社さんのCRMプロジェクトでめっちゃ結果はよかったんだけど、
成果報酬の算出方法で、クラの法務と見解の相違が起きてしまって、
現場の担当部署のみなさんは完全に納得していただいてたんですが、
話し合いの場を増やしてしまったっていうコトも書いとかなきゃ。
(最後は法務の方もすごく理解を示してくれたんで感動しました)

いやー、やっぱLTV改善による成果報酬ってめんどくさい仕組みだなって
自分でも思うんすよね(笑)

ただ、じゃあ、他にどこがやれんの? 

ボクらは、クラと一緒にクラの先にいるお客さまのコトだけ考えてればいいんだけどさ。
口で成果だコミットだ言うだけじゃなく、
実際、フィーにもマージンにもコミットしなきゃいけない。


ま、そんな感じで今年も一年、色んな出会いと別れがありましたが、
お陰様で、DM0のコンサルティングのバリューは今年も上がりました。

よく、性格のよさそうなコンサル会社さんに、
「ゼロさんが高いからってウチに依頼くるんでありがたいけど嬉しくはない」
って言われます笑

価格が高いってことは、期待される価値も大きい。
それだけ責任も重い。
おまけに結果に対するプレッシャーは大きいし。
怖くて逃げたくなるスタッフさんの気持ちもすごく、よくわかります笑
商品やお客さまや会社の状況に合わせて、戦略から作ってくから時間もめちゃ使うわけ。
コピペでできたら苦労しないよ。


10年間。
『世界をダイレクトマーケティングだらけにする』というビジョンのもと、

世界一結果に責任の取れるコンサルティング会社として、
クライアントと利益相反することがないように、
ツールも代理店も斡旋もせず、特定の会社と提携せず、
つるまず、癒着せず、フェアネスを胸に、
戦友と書いてクライアントと読むヤツらと共に闘ってきました。
何度も言うけどお世辞言わないし、ゴルフもやらないし、
代理店さんと必要以上に仲良くしない。

結果、そんなに儲からないけど、
(ウチのオフィスの坪単価6,000円だから、手狭になってきただけど
なかなか引っ越せないのよ(´;ω;`))

それで別にえーやん。
ボクらには叶えたい未来がある。
ダイレクトのチカラを信じ、お客さまをシアワセにしたいっていう。
培った信頼と実績、そして評判がある。


確かに魔法はまだ使えない。
でも、ボクらは、お客さまのことだけを一緒に考えることができる。
最高に気持ちいい。

しかも、戦友とも喜びを共にすることができる。
最高に気持ちいい。

来年はもっと強くならなきゃならない。
でも、姿勢を変えるつもりはない。

ボクらDM0はこれからも、
Not Client 1st, But Consumer 1st.
を掲げる、唯一無二のcrazyなB2Bとして、
世界を変えていこう。

We wish your merry Christmas.  
 
 

ブレない「っぽさ」

この20年強、ダイレクトマーケティングの世界にどっぷり浸かっていると、
なんとなく潮流的なものを感じることがある。

考えてみると、EC/通販の取ってきた方向性というのは、
その殆どが、顧客セグメンテーションによる効率化や最適化に
集約されると言っても過言ではない。

CRMシステムによる顧客ロイヤルティの分類から始まり、
One to One Marketingの理念が叫ばれ、
MAによる顧客シナリオが進化し、
OMOの捉え方でのカスタマージャーニー。

このブログのタイトルにもなっているGolden Route Strategyの考え方も含め、
結局、ぜんぶセグメンテーションによる効率化・最適化ばかり。

まあ、確かにそれは簡単だし、突き詰められている会社は
殆どないのでやったほうがいいとは思う。

ただ、手段が目的化している感が否めないんすよね。
だいぶ前に、「継続こそすべて」という
一見綺麗ごとにも聞こえるブログを書いたばかりだけど、
KPIを分解すればするほど、部分最適が起こってしまう。

もっとシンプルなことを見失っちゃってるんじゃないかって思うの。
セグメンテーションによるCRMの最適化に未来はない。


そんな折、2020年のEC/通販業界についての展望に関する対談で
真っ先に浮かんできたコトバ。

それは「一貫性」っていう言葉でした。

最初は、

ブランドメッセージの一貫性
商品コンセプトの一貫性
デザインの一貫性

みたいに、
視覚的、直感的な購買行動が増えてきた背景から、
よりデザインコンシャスな商品設計・訴求設計が求められたきたなぁ
くらいに考えていたのですが、

よくよく考えると、顧客の嗜好性が
当然CRM観点でも、

ターゲットの一貫性
戦略の一貫性
コミュニケーションの一貫性
顧客体験の一貫性

みたいな
「時間軸も踏まえて統一された」ブランディングが
求められる時代になってきたって思ったんです。

考えてみると、EC/通販は長らくブランディング後進業界だった。

それはデータベース上に大量の購買データやトラフィックデータを活用し、
個別に可変であるコトの優位性が発揮されやすいという
メジャラブルな環境要因もあるし、
「ツーハン」っていう言葉の呪縛が持つ、なんとなくダサい感(笑)とか、
「マイナー」とか「リーズナブル」とか「カジュアル」とかっていう、
商品や購買行動が持っていた歴史要因もあるし、
商品の疑似体験がしにくいが故の、販売の冗長性やフォーマット化した
購買意志喚起の伝統的販売手法の要因もあるし、
所詮カートやコールと段ボール配送だし、
タイムラグあるし、

みたいなイメージや顧客体験時間の非一貫性要因もあるだろう。
短期的レスポンス至上主義の御仁のポジショントーク要因まで。(笑)


そんな中、EC化以前には、ほぼ唯一のブランディング?要素として機能していたのが、
コールセンターだったのではないだろうか? 

だが、EC化するコマースにおいて、
もちろん電話するヤツなんていなくなるわけで、
顧客に継続的にブランドを伝えていくためには、
より全体的な統一性、一貫性が必要となってくるだろうと。

顧客は雰囲気や姿勢を重要視しだしてくれている。
めっちゃ嬉しい!!
商品だけではなく、サービスやコミュニケーションまでを、
如何に「ブレず」に、「っぽく」
EC/通販におけるブランドをコンセプトメイクし、
継続していける企業がこれからますます躍進していくんだろうなと思うと、
ちょっと嬉しく思うんです。


やっと、焼き畑みたいなマーケティングから、
積みあがっていくブランドのポリシーや文化、
それによって引き起こされるお客様のハッピーが重要視され、
本質的な一貫性が企業価値を決めていくようになるわけですから。
 
 
We promise your success!  
 
 

田村雅樹
Masaki Tamura

ダイレクトマーケティングゼロ代表取締役社長。
1972年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、「株式会社ベネッセコーポレーション」、大手化粧品会社を経て、2009年に通販専門のコンサルティング会社「ダイレクトマーケティングゼロ」を設立。
通販化粧品・健康食品企業を中心に計500社以上の顧問・コンサルティングを行う。「AMIDAS」や「通販7指標必勝方程式」などの独自理論を打ち立て、クライアントの売上を20倍上げた実績をもつ。
「DMA国際エコー賞」「ケープルズ賞」をはじめ「全日本DM大賞」などダイレクトマーケティングに関する賞を国内外で通算40冠受賞。
著書に『ゼロからはじめる通販アカデミー』(ダイヤモンド社)がある。講演・寄稿等多数。

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